暖かな存在*S.S*

1*sideS貧血 ページ22

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最近、まともな食事をとっていない。


一回、食欲がなくて無理矢理ご飯食べて、ばれないように吐いてから、ずっとそれが続いている。



おかげで貧血気味だし、元々軽かった体重が、もっと減った。


体の線が明らかに細くなったけど、厚着しているから、潤兄も父さんも気づいていない。



家からはバスでいってるから、道で倒れるようなこともない。



でも、こんな生活を続けていたせいで、ついに身体に限界が来た。



今日は夜中にトイレに行きたくて目を覚ましてからずっとクラクラして、


結局眠れなくて朝になっていた。


…貧血だし寝不足だし、一緒に行くだけで潤兄にばれる。



幾分かマシになった所で、制服に着替えた。



今は6時30だから、父さんが台所で朝御飯を作っていて、潤兄はまだ寝ているだろう。



「おはよ…。」


…よかった。父さんだけだ。


「あれ、翔。今日いつもより早いね。」


「今日まで提出の課題あってさ、学校に忘れたからもう行くね。潤兄に言っといて。

…朝ご飯、このパン持ってくね。あと、時間ないし早起きできるくらい体調いいから診なくても大丈夫」



このまま出てくと、父さんから朝ご飯は？とか診察は？とかうるさいから、言われる前に言っといた。


「そっか…。本当はダメだけど、最近はちゃんと食べてるし、今回だけだよ？いってらっしゃい^^」


…本当は食べてないんだけどね。


「ん…、いってきます。」



罪悪感を感じながらも、家を出た。

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