【 まふまふ 】ぱらぼらあんてな【 歌い手 】

第2話 ページ3

今日もいつも通り作業をして、
打ち合わせに行って、ご飯をたべて。

こんな生活を繰り返していてはダメだろうか。
いや、ダメなのは分かってるんだ。
それが直せないのが僕だ。まぁ、不自由はないんだけどさ。


今日も、連絡は来ない。
まぁ、連絡は来なくてもやっていけるわけだけど。






嘘、やっていけない。
やっぱりやっていけないよ。君がいないと。

普段の生活はできるけど、
やっぱり活力が無くなるというか、やる気が無くなると言うか。
元気になれないのだ。彼女がいないと。


仕事が忙しいのは知ってる。
僕だって忙しいけど、でも、気遣ってくれてるならそんなことしなくていいのに。
家に来てくれれば話したり少し遊べたりする。

もう、嫌いなのかな。
本当は気遣いなんてしてなくて、単純に僕のことが嫌いなのかもしれない。
もしそうだとしたら、僕はやっていけるだろうか。
きっと仕事に手がつかなくなるだろう。


そう思い始めて、もう一ヶ月が経とうとしていた。
どうしよう、もうどうすればいいのか分かんないよ。
これで連絡して別れ話になったらどうする？


別れたくない理由が、出てこなかった。


どうしてだろう、
こんなに好きなのに可笑しいじゃないか。

もっと、「ここがこうだから好き。別れたくない」とかあるじゃないか。
なのに、僕にはその言葉が見つからなかった。



彼女という存在がいるということに、満足してしまっているのだろうか。

はっきり言って、僕の生活はかなり充実している。
夢だって叶って、音楽をやれているし、彼女もできて。

付き合い始めた頃は、僕も今ほど忙しくなかったし、
彼女だってまだ仕事を始めたばかりで大きな仕事についていなかったから。
だから、あの頃は沢山遊んだのだ。楽しかった。
音楽をやってる時と、Aと遊んでる時。もしかしたら、Aと遊んでる時の方が楽しかったかもしれない。


それももう、叶わないのかな。
僕は貪欲だ。欲しいものが手に入ればすぐに違うものが欲しくなる。


だからダメなのかな。

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