バレたくない ページ6
父のためにお線香だけあげて。
コーヒーを飲むこともなく、ｿｳﾙへと戻って行ったｼﾞｮﾝｳﾝ。
彼の車が見えなくなるまで私はその場に佇んでいた。
こんな遠いﾁｮﾝｱﾝまで送ってもらっただけでなく。
別れ際まで、彼に心配をかけてしまった気がする。
私のことを気遣ってくれているようだったのに―うまい説明ができなかったもんなぁ。
だって・・・。
「言えるわけないよね・・・」
つぶやきとともに洩れた息は、4月といえどもまだ白くけぶって。
背中に羽織っていたストールを肩まで引き上げた。
言えるわけない。
ｲﾄｩｸさんの前で、ｼﾞｮﾝｳﾝのことが未だに好きって言って年甲斐もなくボロ泣きしてしまったなんて。
そんなの、他の人はともかく。
ｼﾞｮﾝｳﾝにだけは絶対に絶対にバレたくない。
そこで、私はまたハッとした。
私・・・ｲﾄｩｸさんになんてことカミングアウトしちゃったの！
私とｼﾞｮﾝｳﾝの過去を知っている人は、日本の友人・アキだけで。
ｲﾄｩｸさんは初対面で、しかもｼﾞｮﾝｳﾝにとっては仕事仲間でもある人なのに！
「あ・・・あ・・・」
寒さを忘れそうになるくらい、かーっと顔が熱くなる。
ヤバイ。有り得ない。恥ずかしい。
いくら酔っていたとはいえ・・・ホントにとんでもないこと打ち明けちゃったよ、私！
別にｲﾄｩｸさんがｼﾞｮﾝｳﾝに告げ口するんじゃないかとか、そういう心配をしているわけじゃない。
今日1日会っただけだけど―きっとあの人はそんな人じゃない。
ただ、恥ずかしい・・・。
ホントになんで話しちゃったんだろ〜。
きっと・・・ｲﾄｩｸさんのあの天使みたいな笑顔のせいかも。
「あーダメだ！ヨガ！ヨガやろう！」
私は夜中だというのに、バタバタと家に入った。
＊
「それにしても驚いたわ〜。ｼﾞｮﾝｳﾝ、しばらく見ないうちにすっかり男前になって」
リビングに戻ると、母がうっとりした表情で言った。
「でも中身は昔と変わらずいい子だしね〜＾＾」
「うん・・・。ホントいいやつだよね」
「アンタ。いくらこっち戻ったとはいえ、あんまりｼﾞｮﾝｳﾝの周りちょろちょろしちゃダメよ？」
「なんで？」
「仕事の邪魔でしょ。それに、アンタがいつまでも昔みたいに引っ付いてたらｼﾞｮﾝｳﾝも彼女つくれないじゃない」
ああ、お願いだから。これ以上私を打ちのめさないでよ。
ラッキーアイテム
革ベルト
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Mercury zero(プロフ) - るいこすたさま 宿舎編、引っ張ってます…。るいこすたさん、このストーリーの登場人物たちの心情を汲み取ってくれててホントに嬉しいです!!実は実はさらっとしたセリフにも意味とかが残るように努力してます(^-^)感情移入しやすいってのも嬉しいな♪ (2012年11月23日 13時) (
レス) id: b256902100 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま ミンくんいいですよね(^-^)/とか言いながら、私はなんだかんだでぎゅ様が2番目なのですが(笑)はい、何を隠そうｷﾞｭｲｪｶｯﾌﾟﾙが大好きです(聞いてないですね)!! (2012年11月23日 13時) (レス) id: b256902100 (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - あんにょ〜！いいですよ！！お気になさらいでください！私もイェソンの次に好きなのミンくんです！！ (2012年11月20日 9時) (レス) id: 108f6b4293 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - たんこま☆さま あんにょ〜ん♪いつも応援ありがとです〜＾＾ホントじれったいですね！そろそろ次章に移らなきゃなのですが〜そのときはもう少し二人の距離を縮めたいかなぁ＾＾更新もじわじわですが（笑）気長にお待ちいただけると嬉しいです♪ (2012年11月19日 23時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま ﾘｺﾒ遅れました！いつもありがとうございます＾＾ようやく、宿舎のシーン・・・。いろいろ挟みすぎました。もうちょっとで次の章になってしまう＾＾；そしてやっぱりメンバー多いのは大変です〜＞＜ (2012年11月19日 23時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mercury zero
| 作成日時：2012年11月6日 22時
