風の強い日-YS ページ40
YS「あ・・・悪い。もしかして着替えの最中だったか?」
いつものようにAにカギを開けておいてもらって。
何気なしに入ってしまったけど―
考えてみれば、幼馴染みとはいえ女の部屋なわけで。
鏡の前で、体を硬直させているA。
その顔がみるみる赤くなって、俺を信じられなさそうな表情で見つめている。
「着替え・・・は。ちょうど今終わったとこ」
YS「そ、そうか」
恥ずかしそうにうつむくA。
来たばかりだっていうのに・・・なんとなく気まずい空気になってしまった。
ダメだな。ちょっとデリカシーなさすぎた。
だけどAの様子もいつもと違うように感じるのは―
洋服や化粧のせいだろうか。
YS「女っぽい、な」
思わず本音が口から出ると、Aはハッとはじかれたように顔を上げて。
俺の前でくるくる回りだした。
「ね、ね。変じゃない?変じゃない?!」
YS「んーー?」
何が変とか、変じゃないかとか。
俺。よくわからないんだけどな。
特に女ものに関しては。
YS「可愛い・・・んじゃないか?」
「ホントっ?!これでいい?!」
YS「んーー^^」
嬉しそうにパッと笑顔になるA。
いつもの笑顔のはずなのに、やっぱりいつもとは何か違った気がした。
リップグロスできらきら光るその口唇に思わず目が行く。
YS「あ、でも。上に何かもう1枚羽織ったほうがいい」
「そうなの?」
YS「ん。今日あったかいけど風は強い。暑くなったら脱いでいいから」
「ジョンウン。お兄さん通り越して、お母さんみたいだよ?(笑)」
彼女はそう言って笑いながら、クローゼットの中から春っぽい色のカーディガンを取り出した。
ワンピースの白地のブラウス部分に似合った色だ。
ん?ワンピースじゃないのか?よくわからんけど。
お兄さん、ね。
だって仕方ないだろ。
こうやって兄貴を気取ってないと―色々意識しちまうんだ。
YS「支度大丈夫そうか?俺、先に下りてるから。車・・・どれかわかるな?」
「それぐらいわかるよ!もう少ししたら私も行くから^^」
サングラスをかけなおして、俺は一足先にマンションを出た。
エントランスを出た瞬間。
びゅっと、春の強い風が俺をあおった。
YS「・・・」
Aの歓迎会―か。
何事もなければいいんだがな。
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革ベルト
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Mercury zero(プロフ) - るいこすたさま 宿舎編、引っ張ってます…。るいこすたさん、このストーリーの登場人物たちの心情を汲み取ってくれててホントに嬉しいです!!実は実はさらっとしたセリフにも意味とかが残るように努力してます(^-^)感情移入しやすいってのも嬉しいな♪ (2012年11月23日 13時) (レス) id: b256902100 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま ミンくんいいですよね(^-^)/とか言いながら、私はなんだかんだでぎゅ様が2番目なのですが(笑)はい、何を隠そうギュイェカップルが大好きです(聞いてないですね)!! (2012年11月23日 13時) (レス) id: b256902100 (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - あんにょ〜!いいですよ!!お気になさらいでください!私もイェソンの次に好きなのミンくんです!! (2012年11月20日 9時) (レス) id: 108f6b4293 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - たんこま☆さま あんにょ〜ん♪いつも応援ありがとです〜^^ホントじれったいですね!そろそろ次章に移らなきゃなのですが〜そのときはもう少し二人の距離を縮めたいかなぁ^^更新もじわじわですが(笑)気長にお待ちいただけると嬉しいです♪ (2012年11月19日 23時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま リコメ遅れました!いつもありがとうございます^^ようやく、宿舎のシーン・・・。いろいろ挟みすぎました。もうちょっとで次の章になってしまう^^;そしてやっぱりメンバー多いのは大変です〜>< (2012年11月19日 23時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mercury zero | 作成日時:2012年11月6日 22時