かっこ悪い-YS ページ31
仕事を終えた俺は、車の中で深いため息を吐いた。
なんとなく―宿舎に帰りたくない。
トゥギヒョンはきっとまだ帰ってないだろうけどさ。
実家は多分まだ忙しい時間帯だし、今日はELFと鉢合わせても愛想よくできる自信がない。
ルームミラーに写った俺の顔。
ひどい顔だ。
目の下はクマがくっきりだった。
YS「A・・・何してるかな」
なんとなくAの顔が見たくなって。
俺はすがるように―彼女に電話をかけていた。
Aになら今のかっこ悪い俺をさらしても・・・平気な気がした。
はぁ。
今日は1日中かっこ悪いな。俺ってやつは。
*
いきなり押しかけたAの部屋。
相変わらず花の匂いが立ち込めていて―
雨で濡れたせいもあって、その匂いが体に染み込むような気がした。
でも落ち着く匂いで、嫌いじゃない。
理由もなくやって来た俺を、迷惑そうな顔もせずに招き入れてくれるA。
俺が言うのもなんだけどさ。もうちょっと警戒しろよ。
だけどAはいつもどおりのAで。
俺の切り抜きとかグッズでいっぱいの部屋を、恥ずかしがる様子もなく。
しかも俺本人の前で―
「私、ジョンウンがSJになったときからイェソンペンだよ?ペン歴長いんだから^^」
こういうこと。さらっと言うんだよな・・・。
Aといると、こうやって俺はAのペースに翻弄されることが多い。
だけど今は。
こんな風に落ち込んだ気分の夜は。
Aのそういうところが救いだった。
幼馴染みっていいもんだな。
この部屋の匂いと、Aの笑顔に。
俺の心の糸はいつの間にかほどけていた。
*
「ジョンウン、痩せた?なんか疲れてるみたい」
YS「んーー」
コーヒーを飲みながら、Aが俺の顔に触れてきた。
クマがひどいあたりをなぞられた。
澄んだ瞳で俺を見上げるA。
別にAに話を聞いてもらいたかったとかじゃなかったはずなのに。
ホントに・・・ただ顔が見れればいいって思ってたのに。
いつの間にか俺は―Aに心の内を話していたんだ。
Aなら、こんなかっこ悪い俺の話を―笑わずに聞いてくれるって思ったから。
ああ、そうか。
Aならそうしてくれるって知っていたから。
俺はきっと、ここに来てしまったんだな。
ホントにどこまでもかっこ悪い。
ラッキーアイテム
革ベルト
195人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mercury zero(プロフ) - るいこすたさま 宿舎編、引っ張ってます…。るいこすたさん、このストーリーの登場人物たちの心情を汲み取ってくれててホントに嬉しいです!!実は実はさらっとしたセリフにも意味とかが残るように努力してます(^-^)感情移入しやすいってのも嬉しいな♪ (2012年11月23日 13時) (レス) id: b256902100 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま ミンくんいいですよね(^-^)/とか言いながら、私はなんだかんだでぎゅ様が2番目なのですが(笑)はい、何を隠そうギュイェカップルが大好きです(聞いてないですね)!! (2012年11月23日 13時) (レス) id: b256902100 (このIDを非表示/違反報告)
和美(プロフ) - あんにょ〜!いいですよ!!お気になさらいでください!私もイェソンの次に好きなのミンくんです!! (2012年11月20日 9時) (レス) id: 108f6b4293 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - たんこま☆さま あんにょ〜ん♪いつも応援ありがとです〜^^ホントじれったいですね!そろそろ次章に移らなきゃなのですが〜そのときはもう少し二人の距離を縮めたいかなぁ^^更新もじわじわですが(笑)気長にお待ちいただけると嬉しいです♪ (2012年11月19日 23時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 和美さま リコメ遅れました!いつもありがとうございます^^ようやく、宿舎のシーン・・・。いろいろ挟みすぎました。もうちょっとで次の章になってしまう^^;そしてやっぱりメンバー多いのは大変です〜>< (2012年11月19日 23時) (レス) id: ec9afe8fe9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Mercury zero | 作成日時:2012年11月6日 22時