You and me... vol.2

Reset-YS ページ2

運転するときは―決まって音楽をかける。
俺にとって車の中は、一人になれる数少ない空間であるとともに。
取り留めのない考えに陥りやすい空間でもあるから。


その日の気分によって、バラードでもポップスでもロックでも。
とにかく音楽や歌に触れていられればいいんだ。


だけど今夜は。
いつもと違って一人きりのドライブじゃないのに―とても静かだ。


横で眠っているAは大人しいもんで。
寝息すら風を切るこの車の音にかき消されるくらい、
静かに。穏やかに眠っていた。


こんなんじゃ。音楽なんてかけられない、な。
だから俺はまた・・・答えのはっきりしない考えに耽ってしまうんだ。


Aの目尻の先に―涙のあとがあるのは気付いていた。
俺がいない間に・・・泣いたのか？
ﾄｩｷﾞﾋｮﾝと何があった？


どんなに考えたって、答えをくれるやつはいないから―
俺はAが、さっき好きだって言っていた歌をくちずさむ。
でも彼女が起きないように。俺の身の周りにしか聞こえないくらいの声で。


あ、そういえば。
ﾄｩｷﾞﾋｮﾝが歌うこの歌が好きだって言ってたんだった・・・。
あーやっぱり。会わせたくなかったかも。


ふと、Aのほうを見やると。
Aはまぶたを薄く開けて、窓の外を見ていた。
でも相変わらず静かだ―。


YS「こら。タヌキ寝入り娘」


起きたのなら―声くらいかけろよ。
でないと。
あてどのないﾈｶﾞﾃｨﾌﾞな考えに・・・飲まれちまうだろ。


「ねぇ、ｼﾞｮﾝｳﾝ・・・。
その歌も好きだけど・・・切ない歌だから違うやつ聞きたい」


酔ってるからなのか眠いからなのか。
いつもよりも甘ったれに聞こえるAの声。


「えっとね、『Reset』がいいな」

YS「『Reset』も切ない歌だろ・・・」

「でも好きなんだもん。ｼﾞｮﾝｳﾝのところの歌詞も。声も・・・全部好き」

YS「うん・・・俺も。好き」


多分「Reset」じゃなくて。
俺の声が好きだって言う―お前が。


「ｼﾞｮﾝｳﾝも好きな歌なんだ。一緒だね＾＾」


無邪気な笑顔を見せるA。
ホントに。一緒だったら良かったのにな。


「Reset」は―まるで今の俺たちみたいな歌だけど。
お前が聞きたいって言うならいくらでも歌ってやるよ。
一人で歌うには、ちょっと忙しいけどさ。

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