You and me...

帰国の準備 ページ13

アキの言っていたとおり―
2月から春なんてホントにあっという間で。
私は韓国に戻るための準備に追われていた。


ヨガの仕事は、スポーツクラブでのクラスは引継ぎが意外とすんなりいったから良かった。


だけど私が個人で開いていた週1のクラスは、生徒さんたちがすごく寂しがってくれて。
でも残念ながらこっちのクラスは終了、ということで私は謝るしかなかった。


あとは引越しの手配とか、こっちのアパートの契約解除の手続きとか。
それはもうやることがいっぱいで。
ホントにホントに忙しくって。
私は母の急すぎる招集をうらんだ。


アパートを出る当日。
アキがわざわざ休みを取ってくれてたみたいで、最後の引越し作業を手伝いに来てくれた。


「アキ、助かるよ。ホントありがとぉ〜」

ｱｷ「アンタとお別れの日だよ？当たり前でしょ。
って、A！アンタそのｲｪｿﾝグッズ全部持ってく気？！」


私はｲｪｿﾝの切り抜きを貼っつけたボードや、
新大久保で買い集めたマグカップやら置き時計やらをダンボールに丁寧に詰めていた。


「え、だって。私にとってのｲｪｿﾝグッズだよ？大事・・・でしょ？」

ｱｷ「捨てろーーーっ！」


私が一度ダンボールに詰めたｲｪｿﾝグッズを、アキは「捨てる」方のゴミ袋に放り込むのだった。
あああ・・・コツコツ買い集めたのに・・・。
だけどずっと壁に貼っていたポスターだけは死守した。


「これだけは！これだけは持ってく〜＞＜
このｲｪｿﾝの顔大好きなんだもん！」

ｱｷ「ったく！これから韓国に戻るんだから、いくらでも幼馴染みに会えるでしょーが！」


それは疑問だった。
いくら幼馴染みとはいえ〜もうｼﾞｮﾝｳﾝはスーパースターなわけで。
私みたいな一般人が簡単に会えるような人ではなくなってしまった。


「でもこれは絶対持ってく〜！」

ｱｷ「わかった！わかったから手動かす！引越し屋さん来ちゃうよ！」


最後まで私たちはこんな感じだった。


＊


「アキ、ホントに何から何までありがとね」


無事引越し作業も終了して。
からっぽになった部屋をあとにした私たち。
アキとはここでお別れだった。


アキとハグを交わす。


ｱｷ「ﾁｬｯﾄでまたいっぱい話そ？A、体に気をつけてね」

「うん、アキも。いつでも遊びに来てね＾＾」


私は笑顔で手を振った。


東京の4月。
私の環境も変化した春。

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