Tonight, tonight. vol.4 (ページ8)

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ｷｭﾋｮﾝ青年の事件簿ページ8

これは大人気のメロンクロワッサンで。
メロンパンとは全然別物なのに。
なぜかｷｭﾋｮﾝと～メロンパン談義で話が合ってしまった(笑)

まさかそんなピンポイントな好みが一致するとはねぇ。
それにｷｭﾋｮﾝって～笑ってこんな風に色々話してくれる人だとも思ってなかったから。
そこも少し意外というかね。

って、こらこら。
実はこのメロンクロワッサンとカフェオレ、ｷｭﾋｮﾝの奢り。
支払いは申し出たけど～さらりと躱されてしまった。

だからせめて私はしっかり味わって食べましょう。
うんうん、バターの濃厚ないい匂い。

「とっても美味しいです。ｷｭﾋｮﾝさんは？」

KH「思っていたよりかは。美味しい、です」

「良かった＾＾」

KH「パラパラしてちょっと食べずらいですけどね・・・」

そんなクロワッサンあるあるに苦戦しつつも。
本来はSJの誰かが食べるはずだった、このパンを。
こっそり自分が食べてるってのが～後ろめたくも楽しかった。

＊

KH「あの、Aさん。僕、貴方にずっと謝りたいと思っていたんです」

おかげさまでメロンクロワッサンは完食。
残り半分の、湯気が薄まったカフェオレに口をつけていると。
ｷｭﾋｮﾝが神妙な顔つきで改まっていた。

「えっ、謝る？ああ、もしかして～」

KH「はい。あのイベント会場での・・・」

「ふふっ。赤ワインぶっ飛び事件ですか？」

KH「え、ちょっ。それですけど・・・勝手に事件名つけないでください；」

ｷｭﾋｮﾝが居心地悪そうにうつむいた。
あの事件はお互いセンセーショナルだったもんねぇ(笑)
そういえばｷｭﾋｮﾝは、あの場で気の毒になるくらいうろたえていたっけね。

「私が今着てるスーツ。確かあのときと同じものですよ」

KH「あ・・・」

「ふふっ、きれいに落ちたでしょ？あの晩すぐ洗ったらこのとおり」

KH「良かった・・・。あ、いえ。その節は本当に失礼しました」

深々と頭を下げるｷｭﾋｮﾝ。
う～ん、あのときも思ったけど。
真面目な人なんだな・・・。

KH「ホントはもっと早くにこうしてお詫びしたかったんですけど。
Aさんの連絡先もわからないままだったんで・・・」

「お詫びなら。もうあのときに十分してくださったじゃないですか」

それにこのメロンクロワッサンも、ね？
こうしてご馳走になってるわけだし。
ホントそれで十分じゃないの。

私は心からそう思ったのだけど。
ｷｭﾋｮﾝはまだ、どことなく浮かない顔をしていた。