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パンドラの箱の中で2-KH ページ11

KH「当初のきっかけは〜それのお詫びがしたかったから、に違いないんですけど。
今はただ僕が知りたくて、ですね」


・・・よし、言った!
これでも僕なりに、かなり踏み込んでいるつもりで。


こういうとき―気になる女の人の連絡先を尋ねるとき。
ごく自然な感じにそれをやってのける人を、僕は尊敬するよ・・・。
例えばうちのメンバーでいうならば誰だろう?


シンドンヒョンやヒチョルヒョン、トゥギヒョンあたりか?
ああ〜〜そういえばトゥギヒョンも。
あのイベントのケータリングの席ではAさんを気にしてて。
彼女の連絡先を聞き出そうと、イェソンヒョンに詰め寄ってたっけ。


でも、あのときは確か。


KH「・・・うちのイェソンヒョンも。Aさんの連絡先はわからないって言うし」


うわ・・・ヤバ。
今の台詞は、本当は口に出すつもりじゃなかったというか。
思わず心の声が出ちゃったというか。
ジタバタの詳細を明かしてしまったようで〜少し恥ずかしいというか。


だけど。


「へっ?!」


それまで穏やかな調子で、僕の話を聞いてくれていたAさんの。
体というか表情が―カタくこわばったような気がした。


KH「あ・・・ええと。Aさんはイェソンヒョンと同級生、だったんですよね?
ヒョンから聞きました」

「え、ええ・・・」

KH「・・・?」

「・・・;」


Aさんは、カフェオレの入ってたお椀のような器を両手に持って。
口に持って行こうとしてたけど〜あれ、よく見たら中身がもう空だ。
彼女もそれに気付いたようで、ハッとしたあと器をテーブルに戻していた(笑)


KH「あ・・・良かったら。おかわりしますか?」

「いっ、いえいえ!そんな><」

KH「でも・・・」

「そろそろオフィスに向かわなければいけない時間ですし・・・」


あっ、時間のこと!
僕もすっかり忘れていた。
まぁ僕は〜いくらでも言い訳ができるけど。


それより、さっきからどうも話が横道にそれてばかりで肝心なことが―!
またしても同じ勇気を振り絞らなきゃならないのか、と。
ほんのり絶望しかけたころ―


「キュヒョンさん、これ―」

KH「えっ?」

「オフィスの私の名刺です」

KH「・・・!は、はい」


Aさんから差し出された―名刺を受け取ると。
僕の知りたいと思っていた彼女の。
ほんの片鱗に過ぎない情報だけれども―それが書いてあって。


絶望から一転、僕は舞い上がったのだった。

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作者名:Mercury zero | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/mercuryzero/  
作成日時:2022年2月20日 14時

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