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ヘイ・ブラザー4-YS ページ41

拍手と歓声に辺りが包まれる。
多くの人間の、感動と賛辞に溢れたこの場は―ただ眩くて尊い。


ステージに立つ者であればみんなそうだ。
その眩さを一度でも知ってしまうと―止められないんだ。
歌うこと、演じること。自分を表現することを。


そして今夜は。


KH「この機会を与えてくださった多くの皆さん―有難うございます。
僕にとって・・・身に余る幸福でした。本当に光栄でした」


この場の祝福は―全てアイツだけのもの。
それを誇らしいと心から思えるから。
俺も周囲と同じものを―祝福をアイツに向けて送る。


LT「いい・・・コンサートだったな」

YS「ああ・・・」


コンサート会場の関係者席。
俺の横ではトゥギヒョンも、熱い拍手を送り続けていた。


なんせ今夜は、俺たちの可愛い末っ子の。
ソロコンの最終日だ。
トゥギヒョンの言うように、いいコンサートだと思った。


屋外で行っているコンサートだから、何かと制限はあるはずなのに。
派手な舞台装置や演出なんぞが少ない代わりに。
シンプルだが―だからこそアイツの。
キュヒョンの歌声の持ち味を存分に感じることが出来た―そんなコンサートだった。


この寒さをまるで忘れるような空気と一体感。
本物の歌い手であれば、それを生み出すことも不可能ではないと。
もちろん俺は知っている。


だけど俺は―。
アイツがここまで到達するまでに、どれほど努力してきたかということも。
同時に、嫌というほど知っていたから。


LT「大したヤツだよ。一人でここまでやれちゃうんだからさ」

YS「ああ・・・そうだな」


長兄と二人、弟の成長を目の当たりにして。
誇らしさはあれど、やや苦々しく俺たちは笑ったのだった。
兄として。背を追われる追い越されるってのは、複雑なものでもある。


だけど。


LT「イェソン。もしかしたら次はお前の番、かもよ^^」

YS「ん・・・どうだろう、な」

LT「またまた。やってみたいくせに〜」


いたずらっぽい顔になってるトゥギヒョンがこちらを下から覗き込んでくる。
そんなつもりはないのかもしれないが。
なんだかヒョンから試されているようにも思えて。


YS「それはそうとヒョン。鼻が真っ赤になってるぞ」

LT「うっ・・・さすがに寒くなってきたな;」


俺たちはしばし忘れかけていた冬の寒さに、一度ぶるりと身を震わせて。
関係者席から立ち上がったのだった。


今夜は俺のことなんかより。
よくやったアイツを褒めに行かなきゃだろ?

Come With Me.-KH→←センシティブなあの子2



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作者名:Mercury zero | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/mercuryzero/  
作成日時:2019年11月11日 21時

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