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センシティブなあの子2 ページ40

・・・なんか、さっきから私。
やけに意固地というか〜ちょっとムキになってない?
連絡来てないことに、なんだかんだでがっかりしてない?


仕事なんかの電話じゃない。
ジョンウンくんから・・・だよ。


「・・・」


ふいにソファの上に無造作に放っていたバッグから。
アレン先生の作品が印刷されたポストカードを取り出す。
半裸の美しい青年がこちらを見つめている絵―。


悲しみとも諦めともつかない・・・だけど決して虚無ではない。
そんな静かな眼差しをたたえている。
先生、誰かをモデルにして描いたりしたのかな。


「う〜ん、似て・・・るかぁ?似て―」


・・・る、ような気がする。やっぱり。
それは例えば〜高校生だったときの「キム・ジョンウン」くんを。
もう少しだけ大人にしたような。


―今でも思う。なんであのときあんなことしちまったんだろうって。

―若気のいたり、だな。


ほんの1日前の、今くらいの時間。
思い出話をしながら―遠い目をしていたジョンウンくんが。
この絵の青年の印象と重なった気がした。


って。


「昨夜のことも・・・若気のいたり、だったとか?」


〜〜っ!そうだとしたらやっぱりなんか腹立つ!
あともう全然若くもないし!


結局のところ―私が一番こだわってるんだった。
昨夜のこととか。
あの子のことに。





ちょっと気分を直したくてテレビをつけてみる。
もう遅い時間なのもあって、ニュースや報道番組が多い。


火災や交通事故などの悲しい報道。
政治家の無責任な言葉。
そういうの・・・ちょっと今は受け付けない。


チャンネルをいくつか切り替えていると―


「―ソウルの記念広場前では、Super Juniorのキュヒョンが。
自身のソロコンサートの2日目を飾りました。明日は千秋楽を迎え―」


へぇ、キュヒョン?ソロコンサートですか。
しかもその広場だったら〜昨日近くを通ったんじゃない?
そしてキュヒョンといえば―。
思わず視線が、テーブル上のマグに向かう。


「・・・ふふっ!」


やーだ、思い出しちゃった。
そういえばそのキュヒョンとも〜ワインの因縁があったんだったね。


赤ワインぶちまけ事件のキュヒョン。
あのときの慌てふためいていた彼を思い出したら―
悪いと思えど、可笑しくって。
笑っていたら、くさくさした気分が薄れていって。


「あ〜〜!元気にしてくれてありがと、キュヒョン!」


本人に届くわけなんてないけど。
ホントにちょっと元気出たから―お礼言っとくね。

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作者名:Mercury zero | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/mercuryzero/  
作成日時:2019年11月11日 21時

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