押し付けられた面倒-YS ページ18
周りを見渡すと―
いつの間にか客は、俺とこの酔いつぶれて眠っている女だけになっていた。
店員が、「早くこの女を何とかしろ」とでも言わんばかりの視線で俺を見ている。
ちょ・・・ちょっと、待ってくれよ。
俺はこの女の連れでも何でもないんだよ。
弁解じみた言葉が喉元まで出掛かったが―
もうここまできたら、そんなものは無意味だとわかって。
それをグッと飲み込む。
俺は呆然と立ち尽くした。
女は背中を上下させながら―深い眠りに落ちているようだった。
YS「はぁ・・・」
どうする？この女のケータイから、さっきの男に電話してみるか？
今夜会ってたくらいだ。
着信履歴くらい残ってるだろう。
だけど―電話したところで、この状況をどう説明するか・・・。
しかも、別の女の元に帰った男が。
わざわざ迎えになんて来るわけないよな・・・。
完全に・・・手詰まり、だな。
俺は引きつった笑みを浮かべて。
店員に言うしかなかった。
YS「すみません・・・。タクシー。1台呼んでください」
＊
店員に電話でタクシーを頼んでもらって。
ほどなくして店の前に、それはやってきた。
会計は面倒だったから、自分の分とこの女たちが飲んだ分をまとめてカードで支払った。
テーブルの上に、さっきのサイテーヤローが置いていった現金がそのままになっていたから。
それは迷わず自分の財布にしまわせてもらった。
ただでさえ、迷惑かけられてるっていうのに―
金のことまで面倒を見るほどお人好しじゃないんだよ。
だけどな。
あの男が帰ったあと、アンタが追加で飲んでた分は―
俺のおごりってことにしといてやるよ。
俺はため息を吐いて。
眠っている女の腕を取って、自分の肩にまわした。
おぶろうとすると、女が穿いているスカートが思いのほかパツパツしているのに気付いて。
その短さに改めて絶句した。
YS「おい・・・。こんなんじゃ・・・見えるぞ；」
おぶったりしたら―間違いなく、後ろから丸見え。
頼むから、これ以上迷惑かけないでくれよ・・・。
仕方なしに俺は自分のかばんを肩に掛けて。
女を両腕に抱きかかえる。
店員がドアを支えてくれて、俺はよたよたとおぼつかない足取りで店をあとにした。
YS「重てーな・・・ちくしょー」
店からタクシーまでのほんのわずかな距離で、つぶやく。
だけどそんな俺のつぶやきは。
外の冷たい風にかき消された。
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Mercury zero(プロフ) - あやさん» ホントに来てくれてるぅ〜嬉しいっ！いあしかし...キツイと思いまっせーｗｗ冬の兄さんはヘタレで残念。しかし多くの方々にご支持を頂きました。ありがたや〜ありがたや〜。あやさんも無理せずにねｗｗ (2013年12月24日 1時) (
レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - あんにょん！25日が終わるまでに読めるかなぁ！？まっでも兄さんworldにマッタリさせていただきます(^^) (2013年12月24日 1時) (レス) id: f889157a66 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - まこみんさま ぎゃー嬉しっ！気負わずに、でも楽しく読んでいただけるような作品をね。書いていけたらなぁ〜といつも思ってるんですが。どーにも文の量が多くなってしまって申し訳ないです〜＞＜新章立ち上げさせていただきました！良ければ遊びにきてくださいな♪ (2013年2月25日 22時) (レス) id: 92a1792e3e (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - るいこすたさま 色んな兄さん書けるのが私もとても楽しいです！ｲｪｿﾝ兄さんって、何考えてるかよくわからない人なだけにとても書きやすい（笑）雑誌私も増える一方です＞＜日本での雑誌に加え、韓国でも重いのに何冊か購入してきましたよい・・・； (2013年2月25日 22時) (レス) id: 92a1792e3e (このIDを非表示/違反報告)
まこみん(プロフ) - 夜な夜な読みふけってました(*^^)細かい描写とか心情が分かりやすく読みやすいです。次章も早く見たいです！頑張ってくださいね！応援してます>_< (2013年2月25日 14時) (レス) id: 577dbd2bfb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mercury zero
| 作成日時：2013年2月5日 0時
