Candy Man vol.4

I got it, shawty!!2-HC ページ47

KH「なーにが、パールウルトラヴァイオレットだ！」

HC「・・・おう」

KH「なーにが、『ダヌﾋｮﾝはｲｪｿﾝﾋｮﾝの大ファンなんです♪』だ！ぬけぬけと！」

HC「・・・おう」


珍しく荒れた口調で。
自ら手酌した焼酎をギッと一気に飲み干すマンネに。
俺は返事と、なげやりな目をくれてやる。


コイツ、今夜はなにやら飲みたそうにしてたからよー。
こうして連れ出してやったのはいいが。
この俺を相手にしながら、メンドクセー酔い方・・・しやがった。


ったく。
コイツといい、ここにはいないｲｪｿﾝといい。
らしくねーじゃんよ。


この荒れたヤツによると、だ。
今日のステージじゃ、あのｲｪｿﾝがテメーの歌唱パートで入りをしくじったってことで。


しかもメンバーである俺らのほとんどが気付かなかった、そのミスを。
キンパボのメインボーカルには悟られていたって話だったか？
そこまではコイツと酒を酌み交わしながら、聞いちゃいたんだがよ。


それしきのことで、こうもなれるたぁな。
可愛いヤツらだぜ。
この俺なんか、んなレベルのミスなんざしょっちゅうだっての(笑)


しかしだな―


KH「ちょっと。僕の話、聞いてるんですかぁ？ﾋﾁｮﾙﾋｮﾝ！」

HC「あーもー、うるっせーな！おうっつってんだろーがよ・・・」


俺もしくじったぜ。
酒の強さに関しては、さすがの俺もこのザルには敵わねぇ・・・。
このままじゃ、コイツに足腰立てなくさせられそうだ。


KH「どうしてくれるんだ・・・。うちのｲｪｿﾝﾋｮﾝが。自信失くしてこれから歌えなくなったら」

HC「よく言うぜ。誰よりアイツを歌い手として信頼してるくせによ」


俺の注文したウイスキーに添えられていた。
つまみの塩漬けのライムを、ブチブチと歯で噛みやる。
おお・・・酸っぺ。


HC「俺の経験から言わせてもらえば、だ。自信なんてのは失くすのは簡単でよ」

KH「・・・」

HC「だが、取り戻すのも意外と簡単だったりするんだ」

KH「・・・」

HC「もっともｲｪｿﾝなら〜そのきっかけは酒でも女でもねぇよ。歌だろうな、きっと」

KH「それは矛盾してます。だって他ならぬその歌で自信失くしてるんだ」

HC「いいや。アイツはきっとそうだね」


知的な参謀役といえど、論破はさせねーぜ。
そんな参謀は、焼酎の入った盃を手で遊ばせながら。
納得がいったような、そうでないような顔で笑った。


んで。


KH「ﾋﾁｮﾙﾋｮﾝって。たまに至言吐きますよね」


たまに、は余計だっつの。

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