BE THERE vol.6

Xday-YS ページ6

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙｯ！

YS「・・・っ！」

KI「すかーー・・・。んがぁーー・・・」


なにやらけたたましい音と。
地鳴りのような声に。
ハッと俺の目は覚まされる。


あーー・・・なんだ？
頭がイタイ・・・こんなの久しぶりだ。
もしや俺としたことが。二日酔いってやつ、か？


鈍くズキズキと痛むこめかみあたりを押さえながら。
ゆっくりと体を起こす。
ここ・・・ベッド、だな。多分ホテルの。


昨夜の打ち上げの記憶はうすぼんやりと残っているものの―
どうやってここまで帰ってきたかがイマイチわからん。


だけど俺の横からの声は。
一晩中、聞こえていた気がするのも・・・なんとなく覚えていた。


このホテルの滞在で、同室だった・・・ｶﾝｲﾝ。
いびき。すごいな。
前々からそう思ってはいたんだが(笑)


昨夜はｶﾝｲﾝも酒を飲んだせいだからだろうか。
それが一段とひどい気がする。


こういうとき、なんていうかさ。
昨日誕生日を迎えたばかりってだけじゃなく。
そういう年になっちまったんだと、つくづく実感する。
だってコイツ、俺と同い年だ(笑)


まさか俺も寝ている間に、こんないびきしてるんじゃないだろうな？
そんな不安に駆られそうになったとき―


ﾌﾟﾙﾙﾙﾙｯ！


あ・・・そういやこっちも。
うるさかったんだった、な。


ｶﾝｲﾝのいびきよりも、こっちのが二日酔いの頭には堪える音の方に。
この部屋の備えつけの電話に手を伸ばす。


YS「・・・はい」

KH『起きてるか？』


出てみると、起き抜けの俺よりも低いトーンのマンネの声。
モーニングコールか？
そのわりには可愛げの無い声だ。


だけど。


KH『今日のこっちでのオフ。もう少ししたら、僕たちも出かけますけど。ﾋｮﾝはどうするんですか？』

YS「んーー・・・。俺もシャワー浴びたら・・・出る」

KH『じゃあ、駅までついてってやるから。早く支度してくださいよ』

YS「ん。わかった」

KH『それじゃ、あとでな』


可愛げは無いくせに、世話を焼いてくれるしっかり者の弟。


そうだった。
俺は今日―行かなきゃいけないんだった。
Aにとって、そして俺にとっても。
試練となり得る場所に。


もっともそれは。
俺がAに送りつけたフライトチケットによって―
彼女がこの国に来てくれていれば、の話だが。


俺はバスタオルを手に取って。
グースカ寝てるｶﾝｲﾝを尻目に、バスルームに向かった。


せっかくの貴重なオフだってのに。
コイツはどう過ごすんだかな？

Heart Attack-EH→←Domino-KH

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す