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人魚姫が戻るべき場所-YS ページ43

昨日のうちに、リョウクがリザーブしておいてくれた復路の新幹線の切符。
トーキョーからの帰国のフライトに間に合うように、早朝の時間のものだ。


ちなみに今日乗るのは、昨日世話になったハヤブサじゃなく。
ハヤテ・・・というやつのようだ。


だけど、Aは。
何か思うことがあるのか―もう1泊だけここで過ごす、ってことで。
まぁ・・・最後までAと一緒に帰国、という考えは俺もはなから無かったが。


なにせわざわざトーキョー経由じゃなくても。
この地の空港から、韓国までの定期就航便があるんだ。
それに俺が送りつけたフライトチケットも片道分だったし、な。


「あの。ジョンウンさん」

YS「んーー?」


Aから渡された・・・けっこうがさばる土産物(笑)
それを抱える俺を、Aが正面から真っ直ぐ見上げてくる。


今朝見る、Aは。
昨日に比べたらずっと―表情が明るくなったというか。
穏やかなものになったというか。
それは喜ばしいことであるはずなのに・・・なぜだか胸がざわついてくる。


「今回のこと・・・私。あなたになんてお礼を言ったらいいか・・・」

YS「礼なんて。言われるほどのことじゃないさ」

「いいえ。ホントに・・・ありがとう」

YS「あ・・・なぁ。A」

「はい」

YS「あっちに戻ったら、さ。俺たちまた・・・会えるよな?」


ふと自分の口から出てきた「戻る」という言葉に。
なんともいえない違和感を覚える。


Aという―人魚姫にとって。
「戻る」ってのは。
俺がこれから帰る・・・韓国ではないのかもしれない。


だけど。


「ふふっ、もちろんです。そろそろお休みから戻らないと、お仕事できなくなっちゃいそうです(笑)」

YS「ハハ・・・。その気持ちはよくわかる(笑)」


明るい笑顔になるAにつられて、他人事じゃなく失笑が浮かぶ。
俺もいつぞやのプロジェクトには・・・苦しめられたから、な(笑)


Aの、どこか晴れやかにも聞こえる返事を受け取って―


「ジョンウンさん。くれぐれも・・・気をつけて帰ってくださいね?」

YS「んーー。君も、な^^」


この地と。
今はごくひとときの別れである―Aに。
背を向けて歩き出す。


と―


「ジョンウンさん!新幹線の改札そっちじゃありませんっ!」

YS「あ。」

「昨日のエスカレーター!あっちですっ><」


Aの声を背中に浴びたのち。
俺はぐるりと足の向きを変えたのだった(笑)

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Mercury zero(プロフ) - ayaさん» オンニはすでにぎゅ様好きでしょーwwぎゅ様は...ホントは優しいよねぇ、ホワイトだよねぇ。わたひも大好きwwその調子で兄さんも応援してあげてね^^よーやくクライマックスだぜー! (2014年4月11日 20時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 瞳子さん» 同じ書き手でもあるトーコさんにそう言っていただけると嬉しいです><フィクションではありながらもリアリティは追及したいと、この作品がまだ漠然としたイメージだったころからありました。私にしか伝えることができない兄さんの話であればなぁと^^ (2014年4月11日 20時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 6章お疲れちゃん!!いよいよ、佳境だね~。しかし、ホントにぎゅったんは、ヒョン想いのイイ子だわ(о´∀`о)好きになりそー(笑)後ひと踏ん張り!!兄さんと「あたし」が、幸せになれますよーに、お願いしますよ(笑) (2014年4月8日 3時) (レス) id: 81aea6774b (このIDを非表示/違反報告)
瞳子(プロフ) - 今回のお話は何だかジーンと来たというか・・・こういう描写は変な話、経験された方じゃないと書けないところではあるかなと思いました。 ヒョクちゃん推しでしたが、兄さんとの空気感がとても良かったですぅ。 (2014年4月8日 2時) (レス) id: 5c0954decf (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 6章お疲れちゃん!!いよいよ、佳境だね~。しかし、ホントにぎゅったんは、ヒョン想いのイイ子だわ(о´∀`о)好きになりそー(笑)後ひと踏ん張り!!兄さんと「あたし」が、幸せになれますよーに、お願いしますよ(笑) (2014年4月8日 1時) (レス) id: 81aea6774b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mercury zero | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/mercuryzero/  
作成日時:2014年3月18日 0時

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