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アイランド-YS ページ37

Aの運転のもと。
俺たち二人の男女しか存在しなかったような―あの海から。
現実の世界に舞い戻ってくる。


あれからメシもまともに食わんまま、ひとまず今夜を越す場所を探すということで。
Aと街中のホテルを巡ってはいるものの。
どこのホテルでも、どうやら空きという空きが無いようだった。


何件もハシゴしたところで、さすがに俺も疲れてきて。
Aが日本語で一所懸命に宿交渉してくれてる間に。
韓国から持ち込んだ煙草で―ひとときの一服をした。


ファンミの間は、一応控えていたからな。
いつもの銘柄の香りが・・・なんだかやけに落ち着いた。


「それじゃ・・・他をあたります^^」

YS「・・・」


ふっと俺に微笑みかけて、出入り口に向かって歩き出すA。
これで駅近くのホテルはどこも全滅、か。
この調子じゃ見つかるかどうかだな。


ダブルは空いてたってことだが・・・さすがにそれはまずいだろ。
同じベッドだなんて・・・いくら俺でも。
どうなっちまうかわからない。


なんていうか、な。
いつだかのウニョクの質問じゃないが。
Aとそうなりたいという欲求は・・・少なからずある、さ。
俺もまぁ男だからな。


だけど。
もし、いざそうなったときに。
いや、もちろんそれは彼女の合意もありきの、例えばの話だが。


そうしてしまったとき―彼女と近付くようで。
ホントはその逆になってしまうんじゃないかって。
そんな恐怖が俺の中にあったから。


例のいつものアレで。
なんの根拠もない俺の直感めいたもの、だが。
でもそんな気が―冗談でもなんでもなく。
本気でしていた。


「次のところでは・・・あるといいですね。部屋」

YS「ん・・・。そうだな」

「ジョンウンさん、お疲れですよね。もう少しだけ・・・我慢してくださいね?」


Aの後ろにくっついて、停めてあった車に乗り込む。


助手席のシートから、手のひらにわずかにざらつく感触。
さっきの海での名残が・・・こんなところにも、か。


YS「A。今夜泊まるところ、だがな」

「はい・・・」

YS「この辺じゃなくてもいい。ひとまずはふた部屋確保できる場所―探そう」

「・・・わかりました」


そうさ。
規模や設備とか、金のこととか。
ひと晩越すだけの場所のことなんかどうでもいい。


今日1日の滞在で―
今まで知る機会の知らなかった、この地の傷跡を見た。
Aの多くを知れた。


それこそが。
俺にとって、意味のあることだ。

欲求が行き着いた先→←もっと遠くへ



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Mercury zero(プロフ) - ayaさん» オンニはすでにぎゅ様好きでしょーwwぎゅ様は...ホントは優しいよねぇ、ホワイトだよねぇ。わたひも大好きwwその調子で兄さんも応援してあげてね^^よーやくクライマックスだぜー! (2014年4月11日 20時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - 瞳子さん» 同じ書き手でもあるトーコさんにそう言っていただけると嬉しいです><フィクションではありながらもリアリティは追及したいと、この作品がまだ漠然としたイメージだったころからありました。私にしか伝えることができない兄さんの話であればなぁと^^ (2014年4月11日 20時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 6章お疲れちゃん!!いよいよ、佳境だね~。しかし、ホントにぎゅったんは、ヒョン想いのイイ子だわ(о´∀`о)好きになりそー(笑)後ひと踏ん張り!!兄さんと「あたし」が、幸せになれますよーに、お願いしますよ(笑) (2014年4月8日 3時) (レス) id: 81aea6774b (このIDを非表示/違反報告)
瞳子(プロフ) - 今回のお話は何だかジーンと来たというか・・・こういう描写は変な話、経験された方じゃないと書けないところではあるかなと思いました。 ヒョクちゃん推しでしたが、兄さんとの空気感がとても良かったですぅ。 (2014年4月8日 2時) (レス) id: 5c0954decf (このIDを非表示/違反報告)
aya(プロフ) - 6章お疲れちゃん!!いよいよ、佳境だね~。しかし、ホントにぎゅったんは、ヒョン想いのイイ子だわ(о´∀`о)好きになりそー(笑)後ひと踏ん張り!!兄さんと「あたし」が、幸せになれますよーに、お願いしますよ(笑) (2014年4月8日 1時) (レス) id: 81aea6774b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Mercury zero | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/mercuryzero/  
作成日時:2014年3月18日 0時

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