BE THERE

レイニーブルー-KH ページ6

ああ〜〜なんか体がベタつく。
どうやら寝ている間に汗をぐっしょりとかいていたようで。
起き抜けの気分も・・・サイアク。


この季節って・・・毎年思うけど苦手だよ。
春と夏の中間の―
雨とジトジトした空気にまとわりつかれるこの感じ。


ベッドから起き上がって、宿舎の自室を出た僕は。
寝間着のT-シャツの襟首に手を突っ込んで、肩の辺りを撫でた。


宿舎のリビングには誰もいなくって。
今日は午後から、SJとしてメンバー揃っての歌番組の出演予定なんだけど。
ﾋｮﾝたちみんないないってことは〜それぞれ自分の仕事に出たのかな。


ってことは・・・歌番組まで何もないのって、まさか僕だけ？
そういやあのｲｪｿﾝﾋｮﾝですら。
仕事の前に彼女とデートだなんて、昨夜言っていた気がする。


おっかしいナ・・・。
僕、SJのブラックマンネだけど。
そのブラックが好評で、こう見えて稼ぎ頭のはずなのに(笑)


ま、いいけど。
今に―他のﾋｮﾝたちよりずっと多忙な身になってやる。


そんな決意をリビングで佇みながら、固めていると―


YS「ただいま＾＾」

KH「ｲｪｿﾝﾋｮﾝ」


黒いT-シャツとジーンズ姿のｲｪｿﾝﾋｮﾝが。
ゆるっとした動きで、外からやってきた。
・・・って。

KH「ｲｪｿﾝﾋｮﾝ、今日の午前は彼女と会うって言ってませんでしたか？」


歌番組まで、まだ時間は余裕であるし。
デートのわりには早い帰りだ。


YS「んーー。彼女には。もう会ってきた」

KH「はい」

YS「で、今さっき振られてきた＾＾」

KH「は・・・？」


それもまた唐突というか、訳がわからない話だけど。
それ以上にわからないのは、どうして振られたってのにそんなにすがすがしそうな顔なんだ・・。


僕の怪訝な視線を気に留めることもなく。
ｲｪｿﾝﾋｮﾝは、どさっとソファに腰を下ろして煙草に火をつけていた。


あーー煙草吸うのは別にかまわないんだけど。
ただでさえ雨のせいで部屋の中に匂いが染み込みやすいんだから・・・
窓くらい開けてくれよな。


そんなこと思いながら、リビングのカーテンと窓を開けると。
あれ・・・雨降ってない。
降ったような形跡はあるものの、外には太陽が顔を出していた。


ソファのｲｪｿﾝﾋｮﾝを振り返ると。
ﾋｮﾝは、煙草を手にしていない方の手で。
向かいのテーブルから灰皿を引き寄せていた。


その表情はやっぱりどこか楽しそうというか、ゴキゲンな感じで。
ったく・・・。
それが失恋したっていうときの顔かよ。

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