ゼロでは済まさない-YS ページ38
YS「んーー?君、俺がSJってこと知ってるのか?」
「・・・;知ってますよ。SJの『芸声』イェソンさん」
あのとき、病院で俺を叱ってくれた女の子。
こうして再び会えたことも嬉しいが。
俺のことを―彼女が知っててくれているというのも。
くすぐったいが〜嬉しい、な。
だって彼女、少なくともあの病院で会ったときは。
「イェソン」である俺に、全く気付いてないようだった。
ま・・・あのときの俺。
相当情けなかったみたいだし、な(笑)
少し呆れたような表情をした彼女を見て、ついまた顔が緩んでしまう。
そういやさっきから「彼女」とか「君」とか―
YS「なぁ、教えてくれよ。君の名前」
「え・・・」
YS「俺だけ君のこと、何も知らない」
「だってあなたは芸能人で・・・それにうちの病院の患者さんだから知ってるってだけで」
YS「いいから。教えて?」
ただ名前を聞いてるだけなのに、どこか渋っているような彼女の顔つき。
もしかしたら警戒されてるのかもしれない。
でも―こうしてまた会えたんだ。
俺はさっきの釣りのおっさんみたいに。
収穫ゼロのままで、ここから離れる気はないんだ。
少し考え込んだ彼女は、観念したかのように―
「・・・A、です」
YS「A^^」
彼女によく似合うその名を。
俺に告げてくれた。
*
A―
その名からすると、やっぱり日本人なんだな。
知ったばかりのその響きを脳に覚えさせるように。
胸の中で、何度も彼女の名前をつぶやく。
そんなとき―
KH「ヒョーーン!イェソンヒョーーン!このスカタンーー!!」
LT「早くこっち来ーーい!さーつーえーい!」
マンネと最年長のデカイ声が、背後から聞こえた。
くそ・・・もう時間切れかよ。
しかも今、さりげにブラック入ってたよな(笑)
心配そうに俺を見つめるAに、くるっと向き直って。
YS「A!君のケータイ貸して欲しい!」
「えっ?!は、はいっ!」
俺の勢いに驚いたようなAが。
足元のかごから、ケータイを取り出して手渡してくれる。
俺はそれに、数字の羅列を手早く打ち込んで―
YS「それ、俺の連絡先!」
「ええっ、連絡先?!あの・・・なんで、ですか?」
YS「A!今度俺とデートしてくれ!」
「!!」
ぎょっとしたような顔のAの手に、ケータイを握らせて。
俺はまた浜へと駆け出した。
とりあえず―
このクソ暑い撮影をしていた中にも。
大いなる収穫はあった。
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Mercury zero(プロフ) - スターライト・マーベル@あやねさん» こちらの作品は完結してすでに年数も経っているため修正する予定は今のところないのですが、貴重なご意見として重く受け止めさせていただきます。ありがとうございました。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - スターライト・マーベル@あやねさん» ご指摘ありがとうございます。東日本大震災を題材として取り扱うことは個人的にもとても考えた部分でありました。さきの被害を決して軽んじているわけではなかったのですが、仰るように不快な思いをされた方もいらっしゃるかもしれないのは申し訳無いと思っております。 (2016年5月4日 21時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
スターライト・マーベル@あやね(プロフ) - 最初にcautionとかいてありますが、これに東日本大震災の被災者様が不快に思うかもしれません。cautionをやめるか東日本大震災ネタをやめるかしてください。私は後者の方が良いと思いますが。 (2016年5月4日 12時) (レス) id: 9c3de66068 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - ayaさま いやーん!ぎゅ様のお話読んでくれて嬉しひ♪あれとっても難しかったけど〜実はお気に入りの作品なのです^^そして今、短編新作を投下しました。しかしayaさんミアネ・・・。私ミン君のお話が一番書ける気してないのぉ〜><でも頑張るネ;; (2013年10月8日 1時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury zero(プロフ) - chocolat_laさま ショコさん、いつもご訪問ゴマウォヨ〜♪ようやっと1章終了;兄さんのかっこいいとこ全っ然書けてないwwしかし夏はまーきゅりの大好きな季節〜♪少年兄さん、大事に書いていきまーす♪ (2013年10月8日 1時) (レス) id: 6a9bdfd1d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mercury zero | 作者ホームページ:http://ameblo.jp/mercuryzero/
作成日時:2013年7月12日 20時