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体育祭が終わって、学校は通常の授業に戻った。
大きなイベントの終わりを嘆く人も居たけど、運動が苦手な私にとってはこちらの方があっている。
移動教室のために教科書類をまとめていると、ショウが“あ”と声をあげた。
「すみません。用事が出来たので先に行っていてください」
扉を開けて、教室から出て行く。
ここ数日はずっとそうだった。
授業の度にスマホが震えて、それを見てはどこかへと消えてしまうのだ。
マナとロウも不思議に思っているようで、3人で顔を見合わせる。
「最近おかしない？」
「それ。A何も聞いてねぇの」
「聞いてないよ。私より2人との方が話すでしょ」
「…まぁ、隠し事の1つや2つあるもんよな。取り敢えず移動しよか」
ショウは授業が始まっても、教室にやって来なかった。
─
本日何度目かの呼び出しを受けて、屋上に繋がる階段を上るとそこに葵さんは座り込んでいる。
教室とこの場所が遠く離れているせいで、到着した時点で授業開始の3分前だった。
表情は酷く歪んでいて、これは間に合わないだろうなと察する。
「ねぇショウくん、なんでこんなに遅くなったの？」
「なんでって…普通に、移動ですけど」
「絶対もっと早く来られるじゃん。なんで私のために走って来てくれないの？」
数日前からこれが続いていた。
授業の合間に呼び出されては、問いかけのようでいて独りよがりの怒りを投げつけられる。
正直、うんざりだった。
「じゃあ逆に聞きますけど、何をそんなに怒ってるんですか？」
「私たち付き合って3週間経つんだよ？それなのにショウくん、恋人らしいこと何にもしてくれないじゃん…！
どうしてなの…」
葵さんは声を上げて泣き出してしまった。
事実があれば満足するのかと思いきや、そうでもなかったらしい。
目元を抑えて鼻を啜る葵さんを立ち上がらせて、腕を引いて保健室まで連れて行く。
こういう用途での利用はきっと一般的ではないけど、この状態で教室に戻すのも気が引けた。
再び時計を見ると、授業が始まってから10分が経っていた。
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sutoro(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます！最初の方は私も書いてて苦しいシーンが多かったです…終わり方結構悩んだのでそう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました！ (12月26日 12時) (
レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 素敵すぎて…😭😭最初の方がどうも不穏でどうなっちゃうのかずっとしょぼしょぼしてたんですが、きれいに優しくまとまってて泣きそうになっちゃいました……素敵な作品をありがとうございます💕💕 (12月26日 0時) (レス) @page40 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
Mer(プロフ) - トヲルさん» コメントありがとうございます！励みになります。更新頑張ります！ (12月12日 19時) (レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
トヲル(プロフ) - コメ失礼します！読んでいて心の涙腺めっちゃ崩壊しまくりました！更新応援してます！コメ失礼しました！！ (12月12日 18時) (レス) @page19 id: 1464d042d3 (このIDを非表示/違反報告)
Mer(プロフ) - 四肢さん» すみません。今気付きました。ありがとうございます！ (12月11日 1時) (レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mer | 作成日時：2023年12月10日 18時
