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次の日。教室へ入ると私の机の近くに椅子を持ってきて、何故か伊達眼鏡までかけて待機しているマナと目が合った。
「おはよ。どうしたの、その謎の体勢」
「いやぁ、Aが来たらすぐ聞いたろ思って。昨日、どうやった？」
「普通に図書当番の担当曜日なんかを決めたよ。私は金曜日で、星導くんは確か水曜日だったかな」
荷物を整理しながら言うと、すぐさま“そういうことやなくて！”とツッコミが飛んでくる。
流石マナ、朝なのに反応が早い。
「…俺が聞きたいんは、ショウとのこと。さすがに何もないわけないやろ？」
「何もないよ。私語をするような時間もなかったし」
ロウと話している彼を一度振り返り、声量を下げて私の耳元で続ける。
まさか本人が同じ空間にいる中で昨日のことを言うつもりはないし、言うほどの内容でもないのでそう答えると机の上にココアが置かれた。
「ロウが昨日言うてたやつ！買ったのはアイツやけど、ショウと話してたから受け取ってきた」
「ありがとう。後でロウにもお礼言っておくよ」
キャップを開けてココアを一口飲んで、何となく気になって目線をやるとドヤ顔のロウと目が合った。
ココアは美味しかったし感謝してるけど、ちょっとムカつくかも。
─
友人がドヤ顔で見つめる先には同じ図書委員の彼女の姿。
小柳くんやマナのことを親しげに下の名前で呼ぶ彼女の俺への態度は冷めていて、近付こうとしても逆に距離を取られる始末。
「小柳くんは彼女と仲が良いんですね」
「結構喋るけど。…何。星導お前、Aのこと気になってんの？」
「そうですね。気になってます」
からかうように半笑いで口にした一言を肯定すれば、小柳くんは“え”と呟いたきり動かなくなってしまった。
別に、あなたが先程ふざけて言ったような、恋愛的な意味の“気になる”ではないけれど。
でも、気になっているというのは事実だ。
半年ほど前に“一緒に帰ろう”と誘われて、少し話していると怒って走り去った彼女。
それ以降、俺はずっと不思議に思っていた。
彼女に謎の安心感を覚えること。怒鳴られた時酷く傷付いたこと。
それから、俺の幼馴染との関係性も。
でも、はっきりとは聞けない。
細かい原因は分からないけど、優しい彼女を怒らせてしまったのは他でもない俺自身だから。
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sutoro(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます！最初の方は私も書いてて苦しいシーンが多かったです…終わり方結構悩んだのでそう言っていただけて嬉しいです！こちらこそ、読んでいただいてありがとうございました！ (12月26日 12時) (
レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 素敵すぎて…😭😭最初の方がどうも不穏でどうなっちゃうのかずっとしょぼしょぼしてたんですが、きれいに優しくまとまってて泣きそうになっちゃいました……素敵な作品をありがとうございます💕💕 (12月26日 0時) (レス) @page40 id: 93744aa2ce (このIDを非表示/違反報告)
Mer(プロフ) - トヲルさん» コメントありがとうございます！励みになります。更新頑張ります！ (12月12日 19時) (レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
トヲル(プロフ) - コメ失礼します！読んでいて心の涙腺めっちゃ崩壊しまくりました！更新応援してます！コメ失礼しました！！ (12月12日 18時) (レス) @page19 id: 1464d042d3 (このIDを非表示/違反報告)
Mer(プロフ) - 四肢さん» すみません。今気付きました。ありがとうございます！ (12月11日 1時) (レス) id: 47c1806eee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mer | 作成日時：2023年12月10日 18時
