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- You side -


ジ「あ 、俺のとっておきのトコロ連れてってやるよ、 」


思いついたかのように言うお兄さん。
やっと、決めてくれたんだ。

お兄さんなら、あたしに未知の世界を教えてくれそうな気がして、嬉しかった。

お兄さんには呆れられちゃったけどね。

でも、それでも。


『もし楽しくない場所だとしても、こんなお兄さんについていってるだけで楽しいから大丈夫だよ、あたしは 。』


心からそう言う。

あたしを見つけてくれてありがとう。
あたしに手を差し伸べて救ってくれてありがとう。

もう、後悔はないかも。
こんな素敵な人に出逢えたんだもん。


ジ「ッ、ばっかじゃねえの 。
絶対おねーサンの寂しさとか後悔は取り除いてあげられる場所だって自信はあるけどね。」


照れたような、でも余裕たっぷりな、ミステリアスな表情で笑うお兄さん。


なんで、分かるの…?

あたしが寂しくて、こっちに来たことを少しでも後悔していたことを。

さっき出逢ったばっかりで、お互いの事は何も知らない。
そういえば、お兄さんの名前も知らないまま。

なのに、なんで分かってくれるんだろう。
お兄さんはメンタリストか何かかな。笑

あたしはお兄さんのこと、なんにも知らないのになぁ。

そんな人の暖かさが心に染みて、嬉しくて、不意に目頭が熱くなる。
ダメ、何してんのさあたし。

知らない人の前では、泣けないよ…


『ねェ、お兄さん。
あたしとお兄さんの関係って、何だろうね?』


あたしには分からないな。

さっき出逢ったばかりなのに手を繋いで、あたかも友達のように接して、心の奥の気持ちも簡単に読み取られて、

友達とは言えない。
だからと言って恋人でもない。


ジ「うーん 、おねーサンは難しいこと聞いてくるんだな、俺はそれほどいい人じゃないよ?」


質問とはズレた回答が返ってくる。

お兄さんのいい人の概念ってどんな感じなんだろうね。

あたしには、いい人にしか見えないけど。
素敵で、かっこよくて、優しくて、心が広くて、それがいい人なんじゃないかな。


『あたしはお兄さんのこと、良いようにしか思ってないよ。悪いところなんて、一つも見つからない。ズルいなぁ。』


自分のいい所は自分で認めて欲しかった。

羨ましがるように言ってみせる。


ジ「じゃあさ、、、」


一瞬、時が止まった。
漆黒の瞳があたしを捕らえる。
そして、離さない。離せない。

あたしの脳内で警告音が鳴った気がした。

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めら(プロフ) - ろっとさん» コメントありがとうございます!すごく励みになります(;_;)更新ペース落ちないよう頑張ります! (2018年8月19日 18時) (レス) id: 3d1de3f670 (このIDを非表示/違反報告)
ろっと - 最近更新多くうれしいです!! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 86fd57fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
めら(プロフ) - 希美さん» 嬉しいですありがとうございます!!更新頻度落ちないように頑張ります! (2017年9月9日 0時) (レス) id: 8a36d932d4 (このIDを非表示/違反報告)
希美(プロフ) - すごく面白くて一気に読んじゃいました( ; ; )!更新待ってます! (2017年9月7日 20時) (レス) id: ab613d3654 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:めら | 作成日時:2017年9月3日 21時

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