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- Kawaguchi side-
相馬とへきほーに挨拶をさせて、またリビングへと戻る。
『ねぇ、ジン?
こんな広いお部屋なんだし、お掃除しようよ。』
そういえば、さっきも言ってたっけ。
俺は毎日この空間で過ごしてたから、まぁ汚いとは思うけど、慣れてあんまり気にしてなかった。
だけど、さすがに初めて来た人にとっては汚いか…
ってか、Aが綺麗好きだったらどうすんだよ!
あぁ、最初っから掃除しとけばよかった…
あぁもうほんと調子狂うなぁ、それもこれも全部コイツのせいなんだよ、責任取れっての。
そうして始まった掃除。
ジ「って、これどっから掃除始めりゃいーの?
掃除機使う?ここにあるけど 、」
掃除なんて普段そんなしないから分かんないことばっかで。
『なに!バカなのジンって!
最初はこのゴミ捨てからだよ!?』
Aはそんな俺に呆れてんのか、ヤケクソ気味に指示を出す。
あぁ、掃除1つもできないなんてダメな男だな、
なんて落ち込んでると、
『ねぇ!ジン!?なに!このお洋服たち!
なんでこんな山になってるの!?』
リビングの洋服の山を見つけたらしいAは、その山のデカさに驚いてるんだろうか。
その山は色んな奴の服が集まってるからなぁ、
ジ「クローゼットに入りきらなかったやつ、みたいなモン。」
足元にあるペットボトルのゴミを拾って答える。
『んえぇ!?こんな可愛いやつ!タンスに入れてあげられないの!?ねぇ全部私が欲しい』
アホみたいな間抜けな声を出して驚いているAは、1枚の服を手に取って自分の身体に合わせている。
男物の服だから当たり前にAの身丈には合わず、ワンピースくらいの長さで。
でも、そのTシャツ1枚でも映えるようなスタイルで、しかもすごく似合っていた。
ジ「あぁ、その服。やるよ、だから大切に着てね、」
俺が選んだ俺の服を、Aも手に取って選んでくれた。
偶然かもしれないけど、そんなの関係ない。
ジ「その服、お前が一番似合ってる。」
紛れも無い本心を伝えると、後から羞恥心が襲ってきて、咄嗟に床に落ちてたゴミを拾う。
『え、ほんとに!?いいの?
すんごい嬉しい、ありがとう!』
明るい声が聞こえふと顔を上げると、照れたような表情で満面に笑っていた。
はぁ、だからズリィって、
そんな顔されたらほんとに欲しくなる。
我慢ももう、できねェよ…。
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めら(プロフ) - ろっとさん» コメントありがとうございます!すごく励みになります(;_;)更新ペース落ちないよう頑張ります! (2018年8月19日 18時) (レス) id: 3d1de3f670 (このIDを非表示/違反報告)
ろっと - 最近更新多くうれしいです!! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 86fd57fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
めら(プロフ) - 希美さん» 嬉しいですありがとうございます!!更新頻度落ちないように頑張ります! (2017年9月9日 0時) (レス) id: 8a36d932d4 (このIDを非表示/違反報告)
希美(プロフ) - すごく面白くて一気に読んじゃいました( ; ; )!更新待ってます! (2017年9月7日 20時) (レス) id: ab613d3654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めら | 作成日時:2017年9月3日 21時