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こんなにくっついているのに、届きそうもないくらい遠くにいるジン。
せめて、手くらいは届かないかな。
そう思ってジンの髪の毛に手を伸ばした。
『ジンの髪型って好き。』
ワックスで固められている髪の毛は、左右にハネていてジンによく似合っていた。
そのうちの1束を掴み、クルクルと絡ませて遊ぶ。
ジ「Aの髪の毛、セットしたい 、」
ジンはそう言って躊躇なくバレッタを外した。
あっという間にほどける髪の毛。
『あっ、ちょ、ジン！なにしてくれんの！
あたし今日頑張って結んだのに…』
巻かれた髪の毛は胸元くらいまで長さがある。
縛り癖がついていて、ボサボサ。
…最悪。
ジ「んー、サラッサラ。イイ髪質してんね、しかもイイ匂い。」
最悪のハズだったのに…
手櫛であたしの髪の毛を梳かしながら言うジンの言葉に、ドキドキしてしまう。
仕草の一つ一つがかっこいい。
嬉しいじゃん、普通に。
『あっ、ありがと…、』
明らかに照れてますよ感のある返事をする。
けど、一向に手櫛を止めないジン。
ジンに髪の毛を触られるのは心地いいけど、やっぱりドキドキしちゃうから…
ジ「明日さ、俺に髪の毛貸してよ。」
そんな時、思いついたようにジンは言う。
髪の毛を貸す…？
さっき言ってた髪セットしてくれるのかな、
なんて期待をよせる。
『うんっ、ジンがやってくれるなら！』
もちろん答えはYes。
ジンがすることの全てを見ていたい。
上から下まで、見逃さないように。
綺麗な、その姿を。
ジ「んじゃ、とりあえず挨拶してくるか、」
そのジンの言葉は理解できなかった。
挨拶？？なんのこと？
『う、うん？』
疑問が浮かぶばかりだけど、とりあえず返事をする。
手櫛をするのをやめたジンは髪の毛を掬い、軽いキスをして笑う。
大きく、鼓動が跳ねた。
身体の温度が上昇していくのが分かる。
ジ「まあとりあえずついてきて。」
なんともなかったかのようにそう言って立ち上がるジン。
あたしは、脳裏に残るさっきの姿に全てを奪われた気がした。
心も、すべて。
数秒経って、ジンの足音が聞こえて我に返る。
あたしも立ち上がり、後ろをついていく。
あたしは今、完全にジンに惹かれた。
本当の本当にジンが頭から離れなくて。
やっぱり、好きなんだ。
だけど、想いはきっと…伝えられない。
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めら(プロフ) - ろっとさん» コメントありがとうございます！すごく励みになります（；＿；）更新ペース落ちないよう頑張ります！ (2018年8月19日 18時) (
レス) id: 3d1de3f670 (このIDを非表示/違反報告)
ろっと - 最近更新多くうれしいです!! (2018年8月18日 23時) (レス) id: 86fd57fbe3 (このIDを非表示/違反報告)
めら(プロフ) - 希美さん» 嬉しいですありがとうございます！！更新頻度落ちないように頑張ります！ (2017年9月9日 0時) (レス) id: 8a36d932d4 (このIDを非表示/違反報告)
希美(プロフ) - すごく面白くて一気に読んじゃいました（ ; ; ）！更新待ってます！ (2017年9月7日 20時) (レス) id: ab613d3654 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めら | 作成日時：2017年9月3日 21時
