6話 ページ6
それからまた少し経ったころ
「…ってことがあって。
おんなじ場所だからまああり得なくはないけどそんな事もあんだなって」
「へ〜、でもAちゃん彼氏持ちだったらまあそりゃスタンプだわ」
「わかる。なんかあん時のこと腑に落ちたっていうか」
「彼氏イケメンだった?」
「結構上位だと思う。」
「俺とどっちがイケメンだった?」
「ダントツで向こうの彼氏だね。」
「絶対お前の気持ち入ってんじゃん」
仕事帰り樹と飲み。
まじでこいつとばっか飲んでる気がするけど
まあそれはさておき
この間の話を一通り話したところ。
今日もまた渋谷だから
もしかしてなんてちょっと思ったりしてる
「てかさ、もし、もしだよ。次会ったらささすがに声かけるとかしたら?」
「いや、まじ次あったら絶対それはする。」
「言ったな?」
「まじまじ。まあでもさすがにないんじゃない?」
「まあな〜渋谷っつってもそもそも広いしな。」
「そうそう。いたとしても気づけないよ多分」
「それはある。」
なんて冗談まじりで話してた時
樹の方をふと顔を上げてみると
「…えっ」
「は、なに?」
「まじでやばいかも。」
「何、なんかあった?」
「…いや、ちょっと静かに後ろ、右斜め後ろ、見て。」
「えっなに………いや、ちょっと待てwwww」
「あれは完全に、だよな」
「あれはね、本人ですね。」
「ねえ怖いって。怖い怖い。行動エリア同じすぎじゃない?」
「てか渋谷でもこんだけ店あんのにそんなことってある?」
そう。右斜め後ろの卓に
知った顔が座ってる。
そしてその向かいには知った顔の彼氏。
「あれ?風磨さん、さっきなんて言いましたっけ」
「いやちょっと待て、あれ、彼氏だから」
「あいつか彼氏!いやイケメンだな〜」
「言ったじゃんだから。てかこの状況は無理でしょ。」
「でもねえ、さっき言ってましたもんね」
「いやまじそれはきついって。」
「いやいけって。」
「お前よくそんなこと言えるな。」
まさかのこのタイミングで2度目の再会。
チラチラ見てると向こうも気づいたらしく
動揺してなんか飲みものこぼしてるし
…ほら彼氏もなんか急に動揺してびっくりしてんじゃん
「…多分向こうも気づいたと思う」
「まじ?大丈夫なのそれ」
「お前まじどっちだよ」
「お前がどうしたいか、だろ?」
「カッコつけんな、てかカッコよくねーから」
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作者名:めんだこ | 作成日時:2022年6月5日 7時