5話 ページ5
…あれから数ヶ月
結局お辞儀のスタンプ事件以降
何も進展もないどころか
とっくに薄れてしまっていた。
そもそもあの日はあの後も飲んでいたのもあって
記憶が曖昧。
それに、一番の変化として
俺は俺で実は彼女ができて
まあまあ充実した日々を送っている。
数ヶ月前渋谷でナンパしたことある、だなんて
絶対言えないしいうつもりもないけど
あの時のことは
今でも曖昧なりにもほんのわずか経験として頭の隅の方に残っている。
樹となんとかちゃん…なんだっけ。それすらも覚えてないけど
とにかく俺が気になった子とは別の子とも何も発展はなく
本当にその日1時間くらい飲んだだけの関係で終わった。
そんな俺は今日、その数ヶ月の間にできた彼女とのデート。
デートとか久々で、なんかソワソワする。
全く関係ないはずなのに縁があるのか
今日も渋谷パルコ前。
あったな〜そんなこと。なんて考えながら到着。
>>ついた。近くなったら教えて
と連絡を入れて適当な場所で待ってるとき
すれ違った今の人
なんか見覚えが…
あ。
今目があった。
目があったかと思えば向こうも
見覚えがある、と言った顔。
「あ、あの…」
と声をかけた時
「A、お待たせ。 あれ?知り合い?」
Aさんに声をかけたのは
俺ぐらいの身長で、顔が整ってる男性。
見たところ彼氏だかそれに近い関係だと思う。
そして相手の存在に気づくと
目があったのに、
そんなことなかったみたいに目を逸らして
「ごめん!見間違えだったみたい。行こっか。」
「そっか。わかった、」
…見間違え、だって。
でもそんな偶然あるんだな、と感心してると
「風磨〜、おーい。大丈夫?お待たせ。」
俺の彼女も到着。
「…悪い、ぼーっとしてた。行こ。」
「うん!楽しみにしてたんだ〜今日」
何事もなかったかのようにデートして、終わった。
…これがAとの1回目の再会。
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作者名:めんだこ | 作成日時:2022年6月5日 7時