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視点:菊池風磨
「なあ、"ナンパ"、したことある?」
「ナンパ?あの、声かけるやつ?」
「そう。」
「いや、俺意外にないな樹はあんの?」
「俺?まあ〜〜人生一度や二度、三度、、、あるね」
「まあまあやってんのな」
夏の夜22時の渋谷・パルコ前
みんなほろ酔いの週末
例外なく俺たちもその中の一人で
結構いい感じにアルコールが回ってる
久しぶりに男だけで飲みに行って
飯食って、飲んで、笑って
なんとなく横にいるこいつ、田中樹と
終電まで飲み直すことになって、今。
樹もそうだけど、久々に会えたやつが多くて
楽しかったな〜って思ってたところに
…ナンパ?
経験ないから、良し悪しとかはわかんないけど
なんとなく遠ざけてきてたから
こう言う時の反応に困る
「風磨、ナンパデビュー、する?笑」
「は?しねーよ」
「いいじゃんいいじゃん。意外とあるかもよ、運命的な」
「まじですんの?俺意外とこう言う時シャイよ。」
「あ、いいやじゃあ俺が声かけるからもし女の子来た時行くお店見てて」
「…わかった。」
なんとなくの予想で
この後適当に飲んで解散かと思ってたのに
なんか様子が変わってきたな
でも、この時の俺はどちらかというと
経験としてやってみてもアリ、の方向に傾いてた。
それこそ本当にあるかもしれないし。"運命"ってやつ
なんでそう思うかは
多分酒とこの週末の雰囲気のみ
ふと樹の方に目をやると
もうすでに同い年か、まあちょい年下くらいの
女の子二人組に声かけてて
一人は乗り気でもう一人はあんま慣れてなさそうな感じ
「…そうそう!あそこにいる風磨ってやつと俺飲んでてさ。」
「そうなんだ〜。まあ一杯だけなら飲んでく?Aいい?」
「まあ…れいがそう言うなら…」
「まじ!!飲も飲も!
風磨!一緒に飲んでくれるれいちゃんとAちゃん」
「お前、すげーな。すいません急に声かけて。菊池って言います」
「よろしくお願いしまーす、れいです」
「あっえっと…Aです。」
これが、俺とAの出会い。
お互い人見知りすぎてちゃんと話せなくて
樹とAの友達のれいちゃんがいないと会話成立しなかったのすら懐かしい
今となっては、ね?
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作者名:めんだこ | 作成日時:2022年6月5日 7時