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「これ貸してやる。家の目の前だって言っても、あんたみたいな奴がこんな時間に一人で外を歩くのは不自然だろ？
人気が落ちても芸能人は芸能人。誰かに見られないように気をつけろよ」
そう言って、彼は身につけていたこれまた高そうな帽子を私に被せた。
一言余計だなと思うも、ここまでして貰った分文句は言えない。
言っていることも一理あるし。帽子で身バレを防ぐのは大切だ。私の場合は、清楚で売っているのだから特に。
『ありがとうございます！！』
ドアが開いて、タクシーから降りる。
豪雨はいつの間にかあがっていた。
少しだけ、まだ雨の匂いが残っている。
数歩進んでから気がついた。
『あ、上着！』
タクシーのドアが閉まる直前で気がついて引き返す。
『すみません！借りパクするところでした！』
「ああ、俺も忘れてた。いつか返してくれればいいのに律儀だな」
『だって、御堂さんが寒いじゃないですか！』
私がそう言うと、御堂さんはまた子供らしく笑った。
「さっきはからかって悪かったな」
『いえ、こちらこそ色々すみませんでした。帽子、今度お返ししますね』
「ああ。また今度。おやすみ」
去っていくタクシーを見送って、帽子を深く被り直した。
マンションのエントランスで思わずガッツポーズをした。
スマホを開いて、御堂さんの連絡先が本当に登録されていることを改めて確認する。
この調子で親しくなってŹOOĻの情報が集まれば、千さんの計画に貢献出来る！！！
謎の達成感に浸っていると急に疲れが出てきた。
家に帰って、泥のように眠った。
これから起こることの片鱗も知らないまま、呑気に布団にくるまっていた。
その瞬間には既に私の芸能人生を脅かす刃物が少しづつ近付いていると言うのに。
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珍獣坤。 - 勿体なさすぎるお言葉……!!ありがとうございます。励みになります!他作品の片手間にはなってしまいますが、丁寧に書いていくつもりなので今後も楽しみにして頂けると幸いです😭👏🏻✨ (12月4日 22時) (
レス) id: cebb1c38ee (このIDを非表示/違反報告)
ｍ(プロフ) - コメント失礼します。更新お疲れ様です！棗巳波くんの性格を生かした面白い作品出会えたこと、とても嬉しく思います。夢主の気が強い感じもすごく好きで、これからどうなって行くのかとっても楽しみです！これからも心から応援しております (12月4日 16時) (レス) id: 87bc4141db (このIDを非表示/違反報告)
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