35：『邪』 ページ9
｢おはようございます、エリスちゃん｣
｢おはようA!!｣
何時ものように首領室に入ると、赤いドレスを身にまとったエリスちゃんが出迎えてくれた。頭を撫でて鞄を置くと、｢あら?｣と後ろで声が聞こえた。
｢どうかされましたか??｣
｢いいえ、何かAが何時もより元気そうで…やっぱりクリスマスだからかしら?｣
心臓が大きく音を立てた。昨日の立原君との事、今朝の兄の事を思い出す。
元気……かは分からないけれど嬉しいのかもしれない。
｢そうですね、クリスマスの魔法でしょうか｣
｢楽しかった?A｣
微笑みながら問うエリスちゃんが母親のように見えた。
私は何処まで見抜かれているのだろう。
伝達用の書類を胸に抱えて私は笑った。
｢はい!!｣
其れから私の何時もの日常が始まった。
✯✯✯
｢Aさん…大丈夫ですか??｣
｢あ、樋口ちゃん。大丈夫と云ったら嘘になるかも｣
其れもその筈で私は大量の荷物を抱えて移動していた。最後に黒蜥蜴の所へ向かう予定だったのだが、先程まで居た光莉達の所でいろいろ貰ってしまったのだ。大きな袋に入れて貰ったが全然入り切らなくて無理やり押し込んでいる。
｢手伝いますよ!!丁度報告にいらした所ですよね??｣
｢はい。じゃあお言葉に甘えて……お願いします｣
｢はーい!!｣
後でプレゼントを渡す約束をしながら、黒蜥蜴の部屋に入った。
入った瞬間に目が合ったのは、立原君だった。
不意に昨日を思い出して顔が赤くなる。
｢Aさん??大丈夫ですか??｣
｢あ……樋口ちゃん。はい!!全然大丈夫ですよ｣
危ない、取り敢えず報告だけしようとソファに座らせて貰う。芥川さんに書類を渡して首領からの伝言を伝えていると、携帯が鳴った。
『Aちゃん、聞きたい事があるから戻って来たら医務室に来てくれるかな。頼むね』
了解しました、と入れて携帯を閉じる。この前話した余命の事だろうか。折角楽しくて、嬉しい事で胸がいっぱいになっていたのに、気分が落ち込みそうになる。
｢Aさん｣
頭上から声がして首を上げると、急に立原君に頬を掴まれた。
其の儘額に口付けされる。
一瞬時が止まったような気がした。
｢え?｣
｢た、立原!!貴方何して…!?｣
｢貴様立原……羅生門で切り裂いてやろうか………?｣
慌てている黒蜥蜴の皆とは正反対に、立原君は笑って云う。
｢いや、何かAさんが落ち込んでたから…｣
｢だからと云っていきなりする奴が居るかぁぁ⎯⎯!?｣
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夏菜子(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！ (10月30日 21時) (
レス) @page27 id: 7ba2b47e72 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ星(プロフ) - キャアアア！！！おめでとうございます🌸立原！よくやったな！！（笑） (9月21日 21時) (レス) @page4 id: a35decf8bd (このIDを非表示/違反報告)
萩野千紗 別垢 - 凄いです！！文才ありまくりです！！その文才を下され((結論・この作品大好きです！！更新楽しみにしています！！ (9月19日 21時) (レス) @page2 id: 5c4afa8e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mei | 作成日時：2023年9月18日 10時
