51:『私』 ページ24
✯✯✯
「もう大丈夫なのかい?まだ休んでも……」
「いえ。机仕事なら出来ますし、これ以上迷惑はかけられませんから」
3日休んで、久しぶりに復帰した。
廊下ですれ違う度に皆が声を掛けてくれる。
「Aさん!!」
「あ……立原君!」
向こうから来た立原君が目に入ると、其の儘抱き締められた。
「良かった……まだ無理しないでくださいね」
「あ、ありが…とう」
いちゃいちゃは外でやって下さーい!!と樋口ちゃんの声がして、慌てて身体を離す。
可笑しくなって笑みが零れる。
其の時だった。
「Aさぁぁぁぁぁぁぁんんんんん!!!!!」
「生きてた…うわぁぁん!!」
「AさんAさん!!」
突然抱きついてきたのは光莉とすずと蒼。
勢いが良くて立原君は其の儘吹っ飛んだ。
『先に戻っていて』
『了解です』
立原君とアイコンタクトを取りながら、3人から身体を離す。彼とこの子達を近付けてはいけない雰囲気を察したから。
「3人とも……急にどうしたの??」
顔を覗きんだ瞬間、息が詰まった。
にっこりと笑う顔に背筋が凍る。
「「「あの男誰??」」」
……あ、怖。
ごめんね立原君、先に謝っとくね。
⎯⎯⎯⎯
「……何か寒気が))」
「リア充爆発しろ」
「姐さん!!」
⎯⎯⎯⎯
「彼氏……かれ、し??え?」
「嘘でしょ…あ、取り敢えず殺し……」
「駄目ッ!!」
皆に囲まれながら説明を繰り返す。文也や雅人は既に死にかけていた。大人しい朝斗は石像のように動かなくなっているし、他の皆は……うん。泣いている。
「わ、わだじのほうがAさん好きだもん゛ん゛ん゛」
「Aさんが……取られた…死ぬしかない」
「立原…でしたっけ。奏、いけた??」
「うん。取り敢えず特定完了」
「落ち着いて。お願いだから」
云わなかったのが不味かったかもしれない。目がマフィアの中のマフィアの目になっている。
でも、私の初めての恋だったから。
この子達どころか、兄にも伝えられていない。
兄にバレたらどうなるのだろう。
今度こそ殺されるのだろうか。
「……Aさん」
「あ、どうした?すず」
「幸せですか??」
え……と無意識に出た言葉と一緒に皆を見ると、微笑んでいた。
「Aさん、幸せ??」
「しあわ…せ??」
「そう。幸せですか?」
「……うん」
だって皆が居るから。
支えなきゃいけないのに、支えて貰っている。
これ以上無いくらいに幸せなのだから。
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夏菜子(プロフ) - 更新楽しみにしてます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (10月30日 21時) (レス) @page27 id: 7ba2b47e72 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ星(プロフ) - キャアアア!!!おめでとうございます🌸立原!よくやったな!!(笑) (9月21日 21時) (レス) @page4 id: a35decf8bd (このIDを非表示/違反報告)
萩野千紗 別垢 - 凄いです!!文才ありまくりです!!その文才を下され((結論・この作品大好きです!!更新楽しみにしています!! (9月19日 21時) (レス) @page2 id: 5c4afa8e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mei | 作成日時:2023年9月18日 10時