40:『ま』 ページ14
「おはよう、2人共。立原君は急に呼び出してすまなかったね」
「い、いえ…」
今、この場にエリスちゃんが居ない。そう云う時は大体重要な事が話し合われる時。横目で立原君を見れば顔が真っ青を通り越して真っ白になっていた。
「さて、尋ねても良いかい?」
頷いた私達を見て首領は云った。
「君達が付き合っていると噂を聞いたのだが…本当かい??」
「「………」」
✯✯✯
「あぁぁー死ぬかと思った」
「でも大丈夫そうじゃない?最後笑っていたし」
「あの笑みは安心して良い奴なんスか…?」
休憩室でコーヒーを飲みながら語らう。
首領からは一通り聞かれて殆ど私が答えた。隣の立原君は立ち尽くして固まっていたから。
正直云って認めてくれるか分からなかった。
黒社会に恋愛感情は要らないから。
其れが妨げになる事だってある。
だから首領が許してくれるか分からなかった。
「立原君??」
「ん、どうかしましたか」
「もしかして気にしてる?さっき首領に云われた事」
「あ……まぁ一応」
成程、だから此処まで落ち込んでいるのか。
「Aさんは……」
「え…??」
「俺なんかで良かったんですか。もっと俺の他にも……痛ッ!!痛い痛い!!!!!」
「君が良かったの」
立原君の頬を抓りながら私は続ける。
君は覚えていないかもしれない。
もう随分と前の事だから。
でもね、私はあの日の君に救われたんだよ。
太陽みたいに笑う君が眩しかった。
どうしてそんな風に笑えるのか分からなかった。
その頃の私は兄の事で埋め尽くされていたから。
「立原君」
掴んでいた彼の頬から手を離す。
其の儘抱きしめた。
「私は君が好きだよ」
「ッ!!……あ、その…」
「これだけじゃ不十分??君は私の事が嫌い?」
「ンな事ない!!!!」
じゃあ其れで良いじゃない、と思う。
他人からどう見られたって良いから。
私と君が笑っているのなら其れで幸せだ。
⎯⎯⎯⎯そうでしょう?立原君。
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夏菜子(プロフ) - 更新楽しみにしてます!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! (10月30日 21時) (レス) @page27 id: 7ba2b47e72 (このIDを非表示/違反報告)
ニコ星(プロフ) - キャアアア!!!おめでとうございます🌸立原!よくやったな!!(笑) (9月21日 21時) (レス) @page4 id: a35decf8bd (このIDを非表示/違反報告)
萩野千紗 別垢 - 凄いです!!文才ありまくりです!!その文才を下され((結論・この作品大好きです!!更新楽しみにしています!! (9月19日 21時) (レス) @page2 id: 5c4afa8e2f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Mei | 作成日時:2023年9月18日 10時