このままでいたい｡оﾟ (ページ7)

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魔法つかいの手ページ7

智くんは、蒼斗くんをそっと降ろすと、どこかに電話をかけている。
松潤もまた、携帯片手にお店を出て行った。

行き場を失った蒼斗くんは、オロオロしてる。

兄弟のいない私に、小さい子の扱いなんてまるでわからないけど……

　「…蒼斗くん。お姉ちゃんのとこおいで？」

そのままほっておくことなんてできなかった。
って言っても、２人きりは何かと不安だったから、ニノの向かいの席に座って、蒼斗くんを自分の膝に乗せた。

突然のことすぎて、よく理解できてないけど、
蒼斗くんと蒼斗くんのお兄さんは、智くん達の昔からの知り合いってことは分かった。

それと、一刻を争う緊急事態だってことも。

智くんと潤くんの動揺がはっきりと伝わってくる。
張り詰めた空気に、何だか私も泣きたくなってきた。すると、、、

ニノ「…蒼斗、見てろよ？」

突然、そう言って両手を蒼斗くんに向かって広げたニノ。

左手を軽く握って、右手で指をパチンと鳴らす。そして握っていた左手を開くと、、

蒼「……ゎあ！」

蒼斗くんの顔がパァァっと輝く。
ニノの手には、きれいなブルーのあめ玉。

ニノ、すごい……。

　「よかったね、蒼斗くん。」

ニノから貰ったあめ玉を、口の中で嬉しそうに転がす蒼斗くんにこっちまで嬉しくなる。

　パチン

ニノがまた指を鳴らす。

　「…ぇ、？」

私の前に差し出されたニノのまぁるい手。
その上に、コロンと転がるピンクのあめ玉。

ニノ「…ぉ前も。
　あんま暗い顔すんな。蒼斗が不安がる。」

　「ぅ、うん。ありがと。」

言い方は素っ気ないけど、私のことも気にかけてくれてる。
ニノのそんな優しさに、不安な気持ちがあめ玉と一緒にすぅっと溶けていく気がした。