このままでいたい｡оﾟ (ページ35)

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2つの手ページ35

知らない男の人の手が私の太腿を這う。
いくら抵抗しても、男の人の力にはかなわない

激しい嫌悪感と恐怖に自然と涙が溢れた。
そのとき、、

　

　
　 “………ふざけんなっ！！！！！”

ニノがものすごい剣幕で叫び、私の方に走り込んできた。

それを止めようとする暴走族の人たちをものともせず薙ぎ倒すと、あっという間に私の前まできたニノ。

マジックをしてくれた時のような悪戯っぽい目は光を無くし、ただ怒りだけを宿したその瞳。

？「………っ、！！……、うっ………」

私を捕らえていた男の人が声をあげる間もなく、蹴り飛ばされる。

『…………………わ、っ……、！』

と同時に、私はニノの力強い手に引き寄せられた。

？「………ぃってぇな。黙ってたら調子にのりやがって…」

？「……は、強くなったじゃねぇか。笑」

ニノに殴られて倒れ込んでいた男たちが、のろのろと立ち上がり始める。

ニノは私の手首を掴んで、さっと自分の背に隠すと、そのまま後ずさった。

ﾄｩﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾄｩﾙﾙﾙﾙﾙﾙﾄｩﾙﾙﾙﾙﾙﾙ…………

さっきから奥の部屋で電話が鳴っては切れる。
智くん達だろうか。すぐ近くにあるはずなのに、取ることができないそのベルの音はひどく遠く感じられた。

そのとき、、

ぽんっと背中に温かさを感じ振り返ると、潤くんが私の後ろに立っていた。

私の手首を握り締める力強いニノの手に、背中に添えられた優しい潤くんの手。

２人の温かい手は、私を安心させた。
でも……………

ﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾛﾌﾞﾛﾛﾛﾛﾛﾛｷｰｯ……！！

店先から聞こえてきたバイクの音が、私を震撼させる。

？「……お、あいつら済んだのか？
　ちょうどいい。あいつらにも楽しみを分けてやるか。笑」

リーダー格の男が下卑た笑いを浮かべる。

　ﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀﾊﾞﾀ

ニノと潤くんが、身構える。

もう、だめだ。

私はニノの服の裾をきゅっと掴んで、目を瞑った。
次の瞬間、、、

　

　バタンｯ！！！

お店のドアが勢いよく開いた。