3人の救世主 ページ23
“何だおめーら、邪魔すんなよ！！”
“邪魔すんなって、君たちねぇ。”
“いくらなんでも金属バットはちょっとないか なー笑”
複数の男相手に、少しも怯むことなく輪の中に入ってきた3人。
もう分かるよね？
この３人が、智くん、櫻井さん、相葉さん。
“邪魔すんなって、言ってんだろ！！！”
そう言って男たちが一斉に３人に殴りかかった
ヤバイ。ニノと潤くんはそう思った。
３人までやられるって。でもね………
“…手ぇ出したくねーんだけどなぁ。”
困ったように眉を下げた智くんがそう言った瞬間、周りの男たちがバタバタと倒れていく。
そう、智くん達は強かった。
しかも、相手をなるべく傷つけないように気をつけているのが分かった。
“……もう、やめとけって。”
すぐに立ち上がって金属バットを振り上げる男たちにそう言ったのは智くん。
静かな低い声。怒りの宿った冷たい目。
ニノと潤くんを庇うようにして立つ3人に、男たちは完全に戦意を喪失したみたい。
“覚えてろよ！！”
そう言って、男たちは走り去って行った。
それから智くん達は、ニノ、潤くん、蒼斗くんのお兄さんをそれぞれおぶって、このお店まで連れてきた。
手当てをしてくれて、あったかいココアを入れてくれたんだって。
“でね！！
猫除けのペットボトルに、猫が抱きついてた んだって！！衝撃でしょっ！！！”
“ははっ笑
それは衝撃だわ。写メは？笑”
馬鹿みたいに明るく、くだらない話をする相葉さん。
ニノ達を気遣いながらも、さっきのことには一切触れないで、相葉さんの話に付き合う櫻井さん。
それを、カウンターから嬉しそうに眺める智くん。
“無理すんな。
何かあったら、俺を頼ればいーべ？”
そのとき、カウンターから伸びてきて、ぽんっと頭に乗せられた大きくて優しい手をニノは一生忘れないんだとか。
心も身体もボロボロのニノ達に、３人の優しさは痛いほど、心の奥底まで染み渡った。
それから色々あって、ニノと潤くんは高校を辞め、このお店で働くことになった。
潤くんが今、ココアを入れているのは、あのとき智くんが出してくれたココアが忘れられないから。
あとから聞いたら、智くんのココアは、市販のインスタントだったみたいなんだけどね笑
小さい頃から親が離婚していない２人にとって、智くん達は家族より大切な人なんだって。
これが、5人の出会い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 31人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：chantilly miel | 作成日時：2017年2月20日 19時
