尾行 ページ21
ミスターは廊下をどんどん進み、奥の方へと進んでいった。
私も足音をたてないよう、ひっそりと跡をつける。
どんどん奥に向かうミスターにおびき寄せられているような気がしたが、私は勇気を振り絞り、ついていった。
しばらくすると、ホテルの中庭の入り口につき、ミスターは足を止めた。
これから何を始めるんだろう、そう思って生唾を呑んだ。
「…そこにいるのはわかっているんですよ。」
ミスターがそう言って振り向いた。
私は慌てて近くの物陰に隠れたが、堪忍してミスターの前に出た。
「いつから知っていたんですか?」
「大分最初の方から。まあ、ここの硝子扉にAの姿が映ったのが決定打だったですが。」
硝子に映る自分の姿をみて絶句すると、ミスターは愉快そうに笑った。
ヴィランズを欺くのは結構骨の折れることのようだ。
「そうだ、Aさん。私、あなたに話すことがあるんですよ。ちょうどあなたも喉が渇いていたようですしね。」
そう言われ、私はミスターに連れられ、中庭の方へ入っていった。
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他人丼 - 〇〇先輩さん» ありがとうございます! (2018年6月9日 13時) (レス) id: e7754fa0f2 (このIDを非表示/違反報告)
〇〇先輩 - 最高、続き待ってる! (2018年6月8日 18時) (レス) id: 679d00af4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:他人丼 | 作成日時:2018年6月6日 23時