43.白雪姫×Another Story ページ43
『ハイホー』をアップルポイズンが替え歌した歌があるんだけど、アレが頭から離れない……。
★★★
去年、私は晴れて王子様と結ばれ、彼のお城で暮らすことになった。侍女さんたちにメイクを施して貰っている間、私は自分の姿が映っている鏡を見る。
──お母様は美に強いこだわりがあったなぁ
狩人に命じられて森へ逃げる数日前、私は頼まれていた廊下掃除をしていた時にお母様の部屋から声が聞こえたことを思い出す。
──鏡よ鏡。世界で一番美しいのは誰かしら？──
お母様は自分の美しさに自信がある。……そう言えば、ヴィルさんも自分の美しさを追求していたような……。
確か、コビトさんたちの家に来てくれた時に、話してくれたっけ？ 彼は「モデルとしても活躍しているから、抜かりない美を追求するのがプロでしょ」と言っていた。
「本当に綺麗なお肌ですね。化粧乗りが良くて羨ましいです」
「ありがとうございます」
メイドさんの一人がそう告げる。ヴィルさんに化粧を教えて貰った時も褒められた。
──ヴィルさん……久々に会いたいなぁ
最後に会ったのは一年前。今はどうしているんだろう、また会えるかな、なんて考えてしまう日々ばかり続く。
結婚式の招待状を送りたくても、住所が分からないから送れなかった。メイドさんたちに頼んでも、答えてくれなかった。
──お会いしたいその気持ちはお察ししますが、彼とは二度と会えません──
その口ぶりはまるで、彼が何処で何をしているのか、知っているようで私は悔しかった。
──メイドさんたちには会うのに、私には会ってくれないんだ……
──感謝の気持ちを伝えたかったのに……
コビトさんたちの家で居候をする時、彼らが家に居ない時間帯に来てくれたヴィルさん。お陰で一人で居る時間が減り、私は楽しかった。
きっと彼が来てくれなかったら、こうはならなかっただろう。私はゆっくり瞼を閉じた。
──会ってくれてありがとう
──会いに来てくれてありがとうって言いたかった……でも
丁度そのタイミングに化粧が終わる。目を開き、鏡に映る私を見つめて、頷く。
──いつか貴方に会いに行くよ
──ありがとうも言えないまま、お別れなんて私が嫌だから
★★★
メイドさんたちがAにヴィルさんの住所などを教えなかったのは、彼がヴィランズ側(ナイトレイブンカレッジの生徒)であることに気付いたから。
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石鏡巡(プロフ) - ウィルゴ・パルテノスさん» リクエスト、ありがとうございます！ 完成して半年以上経過したこの作品を見つけてくれて、読んでくれてありがとうございます！ (2021年4月2日 22時) (
レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - リクエストでマルフィとオーロラ姫をお願いします (2021年3月14日 7時) (レス) id: fdd18ceb11 (このIDを非表示/違反報告)
石鏡巡(プロフ) - モカさん» おお！ まさかの雑談を楽しみにしてくれる人がいるとは……！ ありがとうございます！ また何か面白い出来事があったり、思い出したら書きますね！ (2020年5月21日 12時) (レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 最近私も石鏡巡さんの短編集の内容も楽しみですけど、雑談も楽しみになってきてます(笑)すいませんレオナさんのストーリーじゃなくて…。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 10時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
青イチ(プロフ) - そうです！よろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月20日 23時) (レス) id: 019715dd21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石鏡巡 | 作成日時：2020年5月10日 16時
