37.マレウス×呪いが解けるまで ページ37
エース、デュース、グリムの三人をまとめて、こっそり「三馬鹿トリオ」と呼んでいます。因みにジャックは「兄貴」。同級生なのにこんなに違う……！
★★★
長い長い眠りについているオーロラ姫は夢の中で動物たちと歌う。
「またその歌か。気に入っているのか？」
「ええ、とても。どうしてだか分からないけど、この曲は口ずさんでしまいますの。誰から教えて貰った歌なのかは覚えていないけど」
リスの頭を撫でながら、彼女はそう返した。
「その歌の秘密を教えてやろうか？」
「え！？ 本当に？」
「ああ。いつもガーゴイルの話を聞いてくれるその礼さ」
夢の住人となったブライア・ローズは僕の隣に座って、期待の眼差しを向ける。どんな秘密なんだろう、とワクワクしているのが丸分かりだ。
「僕はお前が生まれた時から知っている。お前があの小屋に暮らし始めた時、気付かれずに家事の手伝いもした」
「まあ！ フローリーおばさんたちは上手に家事が出来ると思っていましたわ。料理も洗濯も」
「ああ。僕が陰から魔法を使って上手くなるように仕向けた」
まあ、成長はしてくれなかったが、と付け足すと彼女はフフッと笑う。
「三人に気付かれぬようお前を世話していた時に鼻歌を歌ったんだ。中々寝付かない赤子の為に子守唄として」
「その赤ちゃんが私なのね？」
するとブライア・ローズはハッとした顔付きになる。何かに気付いたようだ。
「待って。それなら貴方は幾つかしら？ 私と同い年に見えるけど……」
真剣な顔で僕を真っ直ぐ見つめた。
「そうだな。お前より遥かに歳を取っている。年齢を口にするとお前がビックリして腰を抜かすだろう。お前の腰の為にもやめておくよ」
「そう？ じゃあ、いつか教えて下さいね」
ニコリと微笑んだ彼女を見て、僕は腰を持ち上げながら、こう言った。
「そろそろお別れの時間だ」
「どうして？」
彼女は頭をコテンと傾ける。
「お前を待っている人が居るからだ」
「私を……待っている人？」
「ああ。どうやらこの勝負、僕の負けのようだ」
短く答えると僕は彼女の夢から離れようとする。
「待って。次はいつ会えますの？」
僕の腕を掴む彼女の瞳をジッと見据え、
「Aが僕のことを覚えてくれる限り」
彼女のことを名前で呼ぶ。するとAは霧のようにここからゆっくりと消えて行く。
「マレウスさん……！」
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石鏡巡(プロフ) - ウィルゴ・パルテノスさん» リクエスト、ありがとうございます！ 完成して半年以上経過したこの作品を見つけてくれて、読んでくれてありがとうございます！ (2021年4月2日 22時) (
レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - リクエストでマルフィとオーロラ姫をお願いします (2021年3月14日 7時) (レス) id: fdd18ceb11 (このIDを非表示/違反報告)
石鏡巡(プロフ) - モカさん» おお！ まさかの雑談を楽しみにしてくれる人がいるとは……！ ありがとうございます！ また何か面白い出来事があったり、思い出したら書きますね！ (2020年5月21日 12時) (レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 最近私も石鏡巡さんの短編集の内容も楽しみですけど、雑談も楽しみになってきてます(笑)すいませんレオナさんのストーリーじゃなくて…。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 10時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
青イチ(プロフ) - そうです！よろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月20日 23時) (レス) id: 019715dd21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石鏡巡 | 作成日時：2020年5月10日 16時
