30.ヴィル×毒林檎 ページ30
ケイトくんのコミュ力が羨ましい……。この話にケイトくん出ないけど
★★★
ここ最近は色々なイベントがあって、中々あの子の所へ訪れることが出来なかった。気付けば彼女と最後に会ってから一ヶ月が過ぎてしまった。
──そろそろ会いに行こうかしら
きっとあの白雪姫が寂しがるだろう、と自分を納得させるような理由を付けて。
そして歩き進めると、今日はいつにも増して森が静かな気がした。前までは動物たちが活発的に活動をしていたのに、今日は一匹たりとも見当たらない。
──なんか、可笑しいわ。こんな雰囲気……
嫌な予感がする。こんな勘は当たらないで欲しいけど。
暫く歩き進めると、背中が酷く曲がった人の後ろ姿を見つける。その人物の左腕に籠を下げており、よく見てみればその中には幾つかの林檎が。
──まさか……ねぇ？
背後から気付かれずに近寄ると、一つだけ、魅惑的な程に真っ赤な林檎があることに気付く。
間違いない。この人はAの継母で、老婆に化けている。恐らくあのクイーンの真似をして同じ方法を使おうという魂胆だろう。
早くあの子を助けなきゃ。そう思うと何か良い方法がないか考える。そして名案が浮かび上がったアタシは近道をして老婆より先に小屋へ辿り着くように向かう。
コンコン
ドアを二度叩くと、小屋の中からいつものようにAが現れた。
「まあ、お久し振りですね。もう来ないかと思ってしまいましたよ」
そう言って彼女はアタシを小屋に入れる。
「残念だけど、今日はゆっくり出来ないの。でもお土産を持って来たから、これを食べてくれるかしら？」
アタシはエペルから貰った真っ赤に熟した林檎を差し出す。今までに何回か林檎を渡したから、彼女は何の疑いもなく、素直にそれを受け取った。
「まあ、ありがとうございます」
「因みにこの林檎をくれた人が言うには、そのままかじって食べるのがお勧めだそうよ」
「林檎をそのままかじる？ なんてワイルドでしょう……」
驚きの反応を見せた彼女だが、「せっかくですから、その方法で試してみますわ」と発言。
「ええ。更に早めに食べた方が美味しいって話を聞いたから、今、食べてくれるかしら？」
「い、今ですか？」
またもや驚きを隠せない様子。だが、アタシとしてはあの老婆が来る前に食べて貰わないと困る。だから強めに「ええ、そうよ。今が一番美味しい時なの」と告げた。
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石鏡巡(プロフ) - ウィルゴ・パルテノスさん» リクエスト、ありがとうございます！ 完成して半年以上経過したこの作品を見つけてくれて、読んでくれてありがとうございます！ (2021年4月2日 22時) (
レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - リクエストでマルフィとオーロラ姫をお願いします (2021年3月14日 7時) (レス) id: fdd18ceb11 (このIDを非表示/違反報告)
石鏡巡(プロフ) - モカさん» おお！ まさかの雑談を楽しみにしてくれる人がいるとは……！ ありがとうございます！ また何か面白い出来事があったり、思い出したら書きますね！ (2020年5月21日 12時) (レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 最近私も石鏡巡さんの短編集の内容も楽しみですけど、雑談も楽しみになってきてます(笑)すいませんレオナさんのストーリーじゃなくて…。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 10時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
青イチ(プロフ) - そうです！よろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月20日 23時) (レス) id: 019715dd21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石鏡巡 | 作成日時：2020年5月10日 16時
