28.レオナ×ダブル婚約者�� ページ28
ニーナちゃんはお嬢様な口調です。ヴェールちゃんみたいで可愛い♡
★★★
「それはこうやって使うんだよ」
ニーナの視線に気付いたのか、店員は商品の使い方を説明する。ふむふむ、と真剣に聞いている姿さえあの女にそっくり。
──テメェがもう少し性格悪くて、我儘お嬢様だったら、こっちはまだ楽なのに
何であの女と同じ優しい笑顔をするんだ？
──テメェのその顔を見る度にAを思い出すんだよッ
その度に俺の心はキツく締め付けられる。
この国の男共は女に優しくする風習がある。
──テメェが現れなければ……親父が勝手に縁談を進めなければ……俺に婚約者なんか居なければ……
──Aを奪い返す計画を実行出来たのに……ッ
コイツの所為で、あの風習の所為で、俺はコイツから離れることが出来ない。俺に婚約者が出来た時点で、Aを奪い返すことが不可能。
「……あら、出来ましたわ！」
上手く使いこなせたのか、俺のストレスの原因でもあるコイツが嬉しそうに笑う。
コイツが何か悪さをした訳ではない。それは分かっている。だけど、苛立ちが止まらない。
「ありがとうございました」
コイツは店員に礼を伝えると、再び歩き出す。
「なあ」
俺が話し掛けると、「何ですか？」と俺の顔を見て首を傾げる。
「いきなり婚約の話が出て、嫌だと思わねぇのか？」
俺の問いにコイツはゆっくりと首を横に振った。
「私は嬉しいですわ……。だって初めてマジフト大会を観た時から恋をしていたんですもの」
頬を赤く染めながら「本人の前に言うのはとても恥ずかしいですわ！」と付け足して、顔を背けてしまう。
──コイツも表情が豊かだな
脳裏にあの女の顔が横切った。俺の考えていることはコイツにとって失礼でしかない。婚約者が居るのに他の女のことを考えている。
でもAのことを考えない日は一度もない。きっとこれからもそうだろう。
──王になれない
──好きな人はよりによって俺の甥の婚約者となった
──俺は愛せない女と生涯を暮らす
──何で俺ばかり持ってねぇんだよ……ッ
心の叫びは誰にも届かない。
★★★
青イチさんからのリクエストでした！
青イチさん、本当にありがとうございます！
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石鏡巡(プロフ) - ウィルゴ・パルテノスさん» リクエスト、ありがとうございます！ 完成して半年以上経過したこの作品を見つけてくれて、読んでくれてありがとうございます！ (2021年4月2日 22時) (
レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
ウィルゴ・パルテノス - リクエストでマルフィとオーロラ姫をお願いします (2021年3月14日 7時) (レス) id: fdd18ceb11 (このIDを非表示/違反報告)
石鏡巡(プロフ) - モカさん» おお！ まさかの雑談を楽しみにしてくれる人がいるとは……！ ありがとうございます！ また何か面白い出来事があったり、思い出したら書きますね！ (2020年5月21日 12時) (レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 最近私も石鏡巡さんの短編集の内容も楽しみですけど、雑談も楽しみになってきてます(笑)すいませんレオナさんのストーリーじゃなくて…。更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月21日 10時) (レス) id: 935a46d4ab (このIDを非表示/違反報告)
青イチ(プロフ) - そうです！よろしくお願いしますm(_ _)m (2020年5月20日 23時) (レス) id: 019715dd21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石鏡巡 | 作成日時：2020年5月10日 16時
