次男×差し入れ�� ページ41
──今渡すのもアレだし……帰り際にしよう
そう思ってAは
「気持ちは嬉しいけど、うちのマネージャーの仕事を取らないでくれると有り難いな」
えー何で、と残念そうな取り巻きの声。それにお構いなく大虎は言葉を続ける。
「それから私的な差し入れは基本的に受け付けていないんだ」
気持ちだけ有り難く頂くよ、と残して部室に戻る。
それから最終下校の時間。夕日は既に沈んでおり、街灯が頼りなく地面を照らす。
「待たせたな、A」
「遅い。寒かった」
わざと言ってみる。すると彼は両手を合わせて、
「悪かったって」
と、素直に口にした。
「確か、この間、県大会に出場したんでしょ？ 次の大会、頑張ってね」
「おう」
たったこれだけの短いやり取り。何だかもどかしく思えて心がざわ付く。
──今、渡そうかな……
──いや、もうちょっと後にしようかな
──でもそれじゃ、いつになるんだろう……
「なあ」
不意に声を掛けられる。予期せぬ瞬間だったので、思わず可愛げのない「ひょえッ！？」という返事をしてしまう。
「あははッ、間抜けな声だなぁ」
「ちょっと！」
反論しようと口を開いたが、これより先の言葉を彼の右手によって妨げられた。
彼は片手で幼馴染の両方の頬を摘みながら
「──ぶちゃいくめ」
と、優しく甘く微笑みながら告げる。
──……ッ
何だかんだいって初めて見た彼の表情。計らずと心臓がドキンと音を立てた。
「ねえ、部活で作ったんだけど、余ったクッキー要らない？」
「頂戴」
彼はそうねだりながら、口を開く。
この数秒後にAが大虎の口にクッキーを届けたのは言うまでもない。
★★★
次男が……部活している……！
これ、何気に初めてじゃないですか！？
(訳:次男よ、お前は今まで何していたん？)
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石鏡巡(プロフ) - 夏月さん» ありがとうございます！ 早速使わせて頂きます！ (2019年12月23日 20時) (
レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
夏月(プロフ) - ページ34についてです。私もそれに悩まされました。ですがこの世界には特殊記号という大変素晴らしいものが存在しています。「 」これの中身をコピーペーストしてみてください。更新楽しみにしています。 (2019年12月23日 19時) (レス) id: fb9808e4bc (このIDを非表示/違反報告)
石鏡巡(プロフ) - 氷夜さん» ありがとうございます！ デコピンされたことないので、凄く羨ましいです！ (2019年12月16日 14時) (レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
氷夜 - 初めまして！僕はこの小説を少し前から見てて、今はすっかりファンになりました。僕は長男と今の夢主が好きなので1番です！胸キュンシーンは、2日休んだ次の日先輩に「体調管理はちゃんとしなよ」と言われ優しくデコピンされた時ですね。(一応女だから先輩は男です) (2019年12月16日 14時) (レス) id: ce8ab539ab (このIDを非表示/違反報告)
石鏡巡(プロフ) - 黒猫さん» 一番ですね。了解です。頭ポンポン、羨ましいです！ 自分、母親以外にされた記憶がないので……。あの、もしかしたら体験した胸キュンを作品内で使わせて頂くかも知れませんが、宜しいですか？ (2019年12月9日 7時) (レス) id: 6406f9e060 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：石鏡巡 | 作成日時：2019年10月30日 16時
