32話 ページ33
in 寝室
『お前が昔………』
父さんは私に何かを言いかけたけれど辞めた
それはきっと私の記憶に関することなのかもしれない
｢事故の前に……会ったことのある人………って｣
事故より昔のことを思い出そうとすると頭が痛くなる
でも、なぜか覚えてることもある
例えば母さんが遊んでくれた記憶とか…
昔やってた習い事のこととか………
｢なんで覚えてるんだろう……
なんで断片的に忘れてるんだろう………｣
＿＿＿………アンタ……誰？
｢ｯ……痛っ………思い出そうとするのは辞めよう…
だるいだけだ………｣
過去のことを思い出そうとすると激しい頭痛がおこる
そんなこと繰り返してもだるいだけだし、私はいつの間にか過去を思い出すのを諦めた
『……それ…逃げてるとちゃいますか…？』
諦めようと藻掻くのを辞めると、鈴のような声で私に語りかけてくる
｢あなたは………誰なの………｣
着物を着た狐の面を被った私と同じくらいの女の子
『覚えておらんのですか…？
私は…………＿＿＿＿』
｢いっ……！｣
頭痛とともにどんどん目の前が暗くなっていく……
＿＿＿＿
気が付いたら布団に寝かせられていた
もう…朝だ……
少しぼーっとしていたら部屋の襖が開けられた音がした
そちらを見ることも無く、ずっと呆けていた
ﾒｲﾄﾞ｢お早うございます…お嬢様
本日のお召し物の用意が整っております｣
そう淡々と述べ、そそくさと部屋から去っていった
｢だる………けど……それ以上に……なんか……
胸が……チクチク…する………｣
〜
婆｢雪乃様！お綺麗でございます！｣
｢………｣
ゴテゴテとした和服に着替えさせられ、化粧を施され……
いよいよ見合いの支度が整った
ﾒｲﾄﾞ｢こちらでございます……｣
｢………｣
ﾒｲﾄﾞ｢既に相手の方はこの部屋においでになっております
旦那様、お嬢様のお支度が整いました｣
父｢入れ｣
メイドが襖を開ける
.
部屋に入り、頭を下げ自己紹介をする手筈だった
だが…そんなことをも忘れるくらい私は柄になく驚いた
｢えっ…………あなた………｣
｢お嬢様……いえ…雪乃さん………
驚きましたよね……僕が貴方の見合い相手って…｣
伏し目がちに笑ったその顔は、立派に着飾っていてもすぐに分かった
｢そ………宙くん…………！｣
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ザッハトルテ(プロフ) - きうさん» えっ、ありがとうございます(そーいうの好きです) (2021年3月7日 0時) (
レス) id: 68d29d9508 (このIDを非表示/違反報告)
きう - あっ、好き（突然の告白） (2021年2月8日 1時) (レス) id: 020f8e08d5 (このIDを非表示/違反報告)
ザッハトルテ(プロフ) - 美雪さん» コメントありがとうございます！かなり亀更新ですがこれからも見てくださると幸いです！ (2019年5月14日 20時) (レス) id: f3211617b1 (このIDを非表示/違反報告)
美雪 - 元 黒猫です名前 美雪に変えました。夢主さんがどうなるのか気になります…更新楽しみにしています!あ、無理はなさらないでくださいね… (2019年5月13日 20時) (レス) id: 7de484a00f (このIDを非表示/違反報告)
ザッハトルテ(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！これからは頑張るつもりですので…… (2019年4月14日 20時) (レス) id: f3211617b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ザッハトルテ | 作成日時：2019年1月2日 0時
