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28話〜回想編〜 ページ29

シュウside

シ「満月……か…」


雪乃を初めて見た時も、綺麗な満月の夜だった



〜回想〜


14年前____


満月の夜

仮面舞踏会(マスカレード)が開催された


父に連れられて、俺は仮面を被り大人の間をかいくぐる


男「逆巻殿……!!」

女「まぁ可愛いらしいご嫡男だわ………」


大人に囲まれ、少し気持ちが悪くなった俺は父の手を引き

シ「少し外の空気吸ってくる………」

カ「……いいだろう」




シ「………」

あまりこういう場は好きではない

周りの大人は作り笑顔を浮かべているし

何か圧みたいなものを感じる


シ「…ハァ……」


俺の頬を夜の涼しい風が撫でた


そして鈴の音を共に運んできた


シャンシャン___


俺は振り返った

するとそこには


狐の面をした小さな少女が立っていた

その子はここでは珍しいことに和服を着ていた


シ「………アンタ…誰?」

「……」


狐の面を横につけた可愛らしい少女だった


でもここは仮面舞踏会だ

1歩間違えればいちご飴を持っていてもおかしくない格好だ


「………


玉霰 夜鷹は月に 帰るめり…………」

シ「?」


彼女は俳句を詠み、着物の懐から小さな白い鳥を出した

「元気でな?………私のことは忘れて、幸せに暮らしてな?」

関西訛りの彼女はそう言って、白い小鳥を飛ばしてやった

「…………このこと…誰にも言わんといてな…?」

少し悪戯げに笑う彼女に


一目惚れした___なんてこの時は言えなかった


シ「………ねぇ、アンタなんていうの?」

「……名前?」

俺は頷いた

すると、少し間を空けて彼女は答えた


「………雪乃………天宮…雪乃」


シ「雪乃……か………」


彼女の名前を告げた途端、


俺と彼女の時間は遮られた


雪乃父「そろそろ行くぞ…雪乃」

「…!」

シ「えっ……もう行っちゃうの?」

子供だった俺は雪乃を離さないように足掻いた

「堪忍な?……またきっと会える日があるさかい

そんな悲しい顔せぇへんで、なぁ?」

この言葉で俺の希望が見えた

シ「また……会える……?」

「もちろんや……ほな…またな?」









でも、次に彼女に会った時は


彼女は変わり果てた姿になっていた_____

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ザッハトルテ(プロフ) - きうさん» えっ、ありがとうございます(そーいうの好きです) (2021年3月7日 0時) (レス) id: 68d29d9508 (このIDを非表示/違反報告)
きう - あっ、好き(突然の告白)  (2021年2月8日 1時) (レス) id: 020f8e08d5 (このIDを非表示/違反報告)
ザッハトルテ(プロフ) - 美雪さん» コメントありがとうございます!かなり亀更新ですがこれからも見てくださると幸いです! (2019年5月14日 20時) (レス) id: f3211617b1 (このIDを非表示/違反報告)
美雪 - 元 黒猫です名前 美雪に変えました。夢主さんがどうなるのか気になります…更新楽しみにしています!あ、無理はなさらないでくださいね… (2019年5月13日 20時) (レス) id: 7de484a00f (このIDを非表示/違反報告)
ザッハトルテ(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります!これからは頑張るつもりですので…… (2019年4月14日 20時) (レス) id: f3211617b1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ザッハトルテ | 作成日時:2019年1月2日 0時

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