Episode94 ページ9
「おはよう、ございます…」
「わあ、おはよう。大丈夫？」
電車に乗れたのは良いものの、それかていつも乗っているのよりも一本遅い電車だ。懲りずにまた駅から学校までを走って、ヘトヘトになりながら生徒会室のドアを開けるとそこにはもう既に皆が揃って席に着いていた。
「いつも山本きちんと来るから、心配になってLINE送ったんだけど」
「あぁ、それが今スマホの電源切れてて。朝そのせいでアラームが鳴らなかったんです」
「それは…ご愁傷さま」
本気で疲れている山本を見て伊沢は大爆笑するも、福良はまだ時間大丈夫だから急がなくていいよと言って未開封のペットボトルを手渡してくれた。対応が天と地の差すぎる。
冷たいお茶を一気に喉に流し込んで、自分のいつもの席に座る。隣にいるのはこうちゃんだ。なにか喋ろうかと思うものの、おはようの一言が口に出せない。かといって、こうちゃんの顔を伺うために横を向く勇気もない。
結局そのまま滞りなく会議は進んで、いつも通り呆気なく終わりを迎える。もちろんいつもだって会議中にお喋りすることなんてないけれど、それでも山本とこうちゃんの間の唯ならぬ雰囲気を感知したのか須貝と福良は終始ちらちらと2人のことを垣間見ていた。
さて、会議は終わった。
もちろんこれから学校が始まるわけで、教室に帰らなければいけない。
「…こうちゃん、教室もど」
「山本ーちょっとだけ来て欲しいんだけど」
「あ、」
「ちょっと、川上、」
「すいません、教室戻ります。お疲れ様でした」
福良さんが感ずいて止めようとしてくれたのも束の間、教室までの道のりで何とかこうちゃんと話をしようと意気込んでいた山本の思い虚しくこうちゃんはそそくさと生徒会室を出ていってしまった。
「…俺、なんかしました？」
「…いや、んー…、…まあ。」
「気にしないでください、大丈夫です」
何が起こってるのかいまいちよく分かってない川上が少し申し訳なそうな顔をしたので、そのままどうしたんですか？と先を急かした。
ここの記事のことなんだけど、なんて業務的な説明を受けている中で、山本はいつこうちゃんに話を切り出そうかと悩む。やはり、今日はとことんついていない日であるようだ。
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あたま - 初コメ失礼します。1から一気に読んでしまいました！続きがめっちゃ気になります！ (2021年10月12日 5時) (
レス) id: be4260c156 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - 里野こちさん» コメントありがとうございます！嬉しいです！了解です！ (2021年2月5日 12時) (レス) id: 05aa016733 (このIDを非表示/違反報告)
里野こち - 初コメ失礼します。いつも楽しく読ませてもらってます！新しい登場人物なのですが、ymgmさんとhysさんがいいです！できればでいいのでどうかよろしくお願いします！ (2021年2月3日 18時) (レス) id: aa6e439f65 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - なつめさん» ありがとうございます…！！最近、たまってたなつめさんの小説を一気読みしました！至福でした……笑笑 (2020年11月11日 0時) (レス) id: 05aa016733 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - ピカイアさん» ありがとうございます…！手術の先輩(こんなこと言っていいのか…？笑)のお言葉、きちんと受け取らせて頂きます…。体調、自分で感じてるのが100%じゃないですもんね…！ (2020年11月11日 0時) (レス) id: 05aa016733 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Syuri | 作成日時：2020年7月30日 23時
