Episode54 ページ6
訳が分からずぽかんとしていると、そんな空気に痺れを切らしたかのように川上さんがぷ、と吹き出した。
そしてそれにつられるかのように、須貝さんと福良さんも可笑しそうに笑い出す。
「なんだよ、川上」
「いや、だって伊沢さん、外堀から埋めにいきすぎでしょ。違和感しかないですって……」
「は！？んなことねーし！」
「まどろっこしいなぁ、もっと素直になったら？」
そのままギャアギャアと騒ぎ始める先輩たちにぽかんとしていると、ぐう、と腹の虫がなった。
そういえばお昼ご飯をまだ食べていない。お腹空いた。
さっきからずっと佇んだままのこうちゃんに目を向けると、なぜかこうちゃんもニヤニヤしながら「そういうことだよ」、と言ってくるもんだからますます意味がわからない。
「あのさ、山本…」
「はい、」
騒ぎは収まったのだろうか、伊沢さんは少しモジモジしたあとで、前とは打って変わって不安そうな声で俺を呼んだ。
「生徒会、入りませんか…？」
「え、」
「山本この前、俺のどこを評価してくれたのかって俺に聞いてきたじゃん？」
「…はい」
「今回の事件の功績を、その理由にしちゃ駄目かな…？生徒会に推薦するには、十二分すぎる内容だと思うんだけど」
こうちゃんの言ってた "そういうこと" って、こういうことか。
ちら、とこうちゃんを見ると、ほら言ったでしょ？とでも言っているように目を合わせて笑って見せた。
「まぁ、俺を差し置いて入試一位の山本さんが生徒会入んないなんて、おかしいですしね」
その通り！と笑った須貝さんの横で、河村さんが驚いた顔でえ、山本まだ入ってなかったの！？と言った。
「なんだよ、俺入ってると思っててこの前事件について普通に聞いちゃったよ！」
「え、なにそのとき山本と河村面識あったの？」
「いえ、誰だろうとは思ってましたけど…」
「うわ〜！ごめん！」
本日何度目か分からない大丈夫です、を返すと、福良さんがで、どう？山本、と俺の肩にぽんと手を置く。
みんなに見つめられて、ちょっと口に出すのは小っ恥ずかしいし、躊躇われるけれど、
「…僕でよければ、入りたいです。入らせて、下さい」
必要として、もらえるのなら。
みんながわぁっと声を上げるもんだから、ますます恥ずかしくなって下を向く。
「そうこなくっちゃな」
「まぁ？計画通りってとこかな？」
「うるさいなあんたは」
こうして俺は晴れて生徒会の1人になったのだった。
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Syuri(プロフ) - なつめさん» コメントにありがとうございます！やっぱり可能性コンビは可愛いですよね…私もいつもなつめさんの小説読んでによによしてます笑 これからもぜひ呼んでください！ (2020年6月4日 19時) (
レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。山本くんお誕生日…いやあ、最高でした！ラストそうきたかあー。先輩方のドタバタと、かわいい後輩くん達のやり取りが面白くって、いっぱい笑わせて頂きました。これからも楽しみにしてます！ (2020年6月4日 11時) (レス) id: 6fb7510317 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - 怜さん» 嬉しい！ありがとうございます！本気で生徒会室に冷蔵庫あるんですか！！笑 個人的に無理矢理な設定だったかな〜なんて思ったりもしていたので、ちょっと安心です笑 しかも公立高校なのにすごいですね！！コメントありがとうございました…！！ (2020年6月2日 7時) (レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！山本さんお誕生日回…！たくさん更新されてて1人テンション上がってしまいました笑 以外余談。私ごく普通の公立高校生ですが何故か生徒会室に冷蔵庫あります…謎の親近感を覚えて楽しかったです！笑 (2020年6月2日 3時) (レス) id: 291ffdfed4 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - (名前)豆腐さん» 本当ですかありがとうございます！！最近更新時刻がバラバラになりがちになってしまっているんですけど、そう言って頂けるともっと更新頑張ろうって思えます！これからもよろしくお願いします…！！ (2020年5月19日 16時) (レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Syuri | 作成日時：2020年5月14日 0時
