Episode60.5 ページ20
放課後のチャイムが響き渡る。
山本サプライズパーティー計画、本当の正念場はここからである。
「じゃあ、俺これから齋藤先生の手伝い行ってくるから。乾はバイバイ」
「山本さんまた明日」
齋藤先生は担任ではなく社会の先生だ。
山本は、教室からは少し離れた場所に位置する社会科教室まで足を運んだ。
コンコン、と二回ノックする。
「失礼しまーす、一年A組の山本です、」
ガラ、と扉を開けて、目に入ってきた光景に山本は思わず目を見張った。
「す、がいさんと河村さん、何してるんですか一体」
「ん？いや、齋藤先生には前々からお世話になってたなーと思ってさ。今のうちに恩を返しておこうと思ったわけよ」
そこには、山本が頼まれていたはずだった書類の仕分け作業を黙々と片付けている須貝と河村の姿があった。
「いやあ、なんか急に昼休み何か手伝える仕事はないかって訪ねてきてねえ。他の人も来てくれてるし、山本くんは今日はもう大丈夫だよ」
他の人…？と山本が部屋を見渡すと、奥の机には二人と同じく黙々と手を動かしている福良と川上の姿があった。
「え！？ど、どうしたんですか皆さん揃って…。」
「いや、ちょっとね、須貝さんと同じようなもんです」
「俺も同じく。」
始めに見せられてこれは放課後だけで終わるのか？と山本が思っていた量の書類が、みるみるうちに片付いていく。
山本としては感謝の気持ちを言いたいところだが、先生の為だと言われてしまったら致し方ない。
言い表せない気持ちを胸に、ただただその場に立ちすくんだ。
「あ。やばいホチキスの芯きれる」
「え、俺んとこもう終わりそうだけど、足りない？」
「いや分からんな、ギリギリ足りるか…？」
須貝がホチキスをパカ、と開けて数を確認する。
あ、これ足りるかも、と言おうとした時だった。
「あ、じゃあ俺、生徒会室からとってきます！」
「え！？」
そう言って走り出した山本に、みんなが待て待てと叫ぶ。
「山本！！待って、終わった！終わったから！！」
「先生、終わりましたありがとうございました、、山本！！！おい！！」
全速力で走る山本を、全速力でみんなが追いかける。
まずい、こんな所で全部パーにする訳には行かないのに。
「山本！！待って！！！」
絶対聞こえているだろう、この野郎。
みんなが心の中でそう叫ぶも、山本は止まる気配のないまま、とうとう生徒会室の扉に手をかけた。
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Syuri(プロフ) - なつめさん» コメントにありがとうございます！やっぱり可能性コンビは可愛いですよね…私もいつもなつめさんの小説読んでによによしてます笑 これからもぜひ呼んでください！ (2020年6月4日 19時) (
レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。山本くんお誕生日…いやあ、最高でした！ラストそうきたかあー。先輩方のドタバタと、かわいい後輩くん達のやり取りが面白くって、いっぱい笑わせて頂きました。これからも楽しみにしてます！ (2020年6月4日 11時) (レス) id: 6fb7510317 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - 怜さん» 嬉しい！ありがとうございます！本気で生徒会室に冷蔵庫あるんですか！！笑 個人的に無理矢理な設定だったかな〜なんて思ったりもしていたので、ちょっと安心です笑 しかも公立高校なのにすごいですね！！コメントありがとうございました…！！ (2020年6月2日 7時) (レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！山本さんお誕生日回…！たくさん更新されてて1人テンション上がってしまいました笑 以外余談。私ごく普通の公立高校生ですが何故か生徒会室に冷蔵庫あります…謎の親近感を覚えて楽しかったです！笑 (2020年6月2日 3時) (レス) id: 291ffdfed4 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - (名前)豆腐さん» 本当ですかありがとうございます！！最近更新時刻がバラバラになりがちになってしまっているんですけど、そう言って頂けるともっと更新頑張ろうって思えます！これからもよろしくお願いします…！！ (2020年5月19日 16時) (レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Syuri | 作成日時：2020年5月14日 0時
