QK高校生徒会執行部 2

Episode60.5 ページ15

流石は久敬高校生徒会執行部。
やるなら計画通りに完璧に。そのための準備は周到に、だ。

昨日、一度当日の朝に生徒会室に集まって出来る限り飾り付けを進めたり、荷物を置いていこうという話になり、皆で朝早くに生徒会室に集まった。


「おはようございます」


「おはよう！俺はクラッカーとか昨日須貝さんと主役タスキとか買ってきたよ」


「僕はなんか面白い飾り見つけてきた」


「河村個性つよいからなぁ…笑 んで、伊沢は？」


ガチャ、と扉が開いて、伊沢が姿を現す。
その手には、いくつもの大きな袋がぶら下げられていた。


「ちょ、伊沢さん、どんだけ気合い入ってんすか笑」


「とりあえずうちのシェフが作った作り置き出来る料理持てるだけ持ってきた。ケーキは重くて持ってこれなかったから後でな」


「やば、どうやって保存するんですか」


「冷蔵庫に入れとく」


冷蔵庫！？とこうちゃんが伊沢が指さす先を見ると、そこには小さいながらもきちんとした冷蔵庫が置かれていた。

いや、冷蔵庫がある生徒会室ってなに。

そう小さく心の中で突っ込むも、他に誰からもツッコミがない。色々とおかしい。


「昼休みも準備に使う？」


「本当にガチだな…」


「なんかでも、楽しいっすね」


河村の独特なセンスや、須貝の思い切った飾り付けによって生徒会室はどんどん華やかになっていく。

みんななんだかんだ言いながらノリノリで作業に取り組んでいて、パーティーが始まっていないにもかかわらず雰囲気はとても楽しげだ。


その時。


コンコン、と扉をノックする音。


山本以外のみんなは全員生徒会室内で準備に勤しんでいる。だとしたら先生か？

皆が少しザワ、とし出す。


「え、先生？やばい？これ」


「いや、待て待て。日頃の行いがいいから大丈夫だろ。違法な物は持ち込んどらんし、なんならもうここ部室みたいなもんだから」


「いや、それはちょっと違うけどな」


とりあえず、適当に取り繕っとけば大丈夫だって！と言う言葉に押されて、伊沢が扉へ向かう。


「はい、どうしました…」


そう言いかけて、バタン！とすごい勢いで扉が閉まる。

そこにいたのは、山本だった。

伊沢はその目に山本を認識した瞬間、思いっきり扉を閉めたため凄く大きな音がたった。

え、どうして、え、

伊沢の思考回路がパニックを起こす。
いつもはそのキレキレの頭で色々と問題を片付けて行く伊沢だったが、今回ばかりは額に冷や汗が滲む。

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