QK高校生徒会執行部 2

Episode57 ページ9

「こうちゃんおはよ！」


「おはよー山本さん」


「どう？結構覚えた？」


「ん〜、まあまあかな」


福良さんにクイズの教材を貰ってからはや数日。
始めはノリで渋々始めてしまい、大量の資料に気が滅入っていたもの、いざやってみるとこれが結構楽しい。

元々勉強が嫌いでないこともあって、やればやるほど知識が蓄積していく感じも面白いのだが、早押しクイズとなるとそれだけじゃいかないところがこれまた奥深い。

こないだ川上さんに誘われて、軽い気持ちで早押しクイズをしたら、知識だけでなく早押しの技術でぼろ負けしてしまった。

早押しって、こんなにも難しい遊び、いや、競技なのか。


「歴史系のは結構得意だったかな。やっぱ知ってるのが出ると楽しくなる」


「あ〜、こうちゃん歴史凄いよね。だってこれから習う内容でしょ？世界史とか」


「まあ好きだからね。山本さんはどう？何か得意なやつあった？」


「うーん、まあ漢字とか…。後は、理系の問題はチラホラ」


「あぁ〜やっぱり問題にも向き不向きがあるのね」


面白そうだと言い出した張本人なだけあって、こうちゃんも結構クイズハマっているようだった。

自分よりもできる先輩がいて、さらに自分と同じく初心者のこうちゃんがいる。

部活としては当たり前のことなのかもしれないけど、この環境が俺にとってはとても心地よくて楽しいものだった。


「…にしても、眠いわ、あくびが止まんない」


ふわあ、と大きな欠伸をしながらこうちゃんが呟いた。

それもそうだ。俺も眠い。

ちなみに言うと、今は朝の7時を回った所である。

今日は放課後に生徒会の集まりがない代わりに、朝早く学校に集まって会議を行う、という日なのだ。休日のようで、休日ではないような、よく分からない仕組みである。


「なんか、割とブラックだよな、生徒会って」


「諦めなよ、それ福良さんも同じこと言ってたよ」


「あの人がそう言って改善しないなら、もう末期だ」


わざとらしくため息をついたこうちゃんと共に、また学校までの道を進む。

そんな俺たちを労っているのか馬鹿にしているのか、カラスが鳴きながら俺たちの頭上を通り過ぎていった。

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