Episode60.5 ページ23
そこからは、こうちゃんと山本の計画はトントン拍子で進んでいった。
なにせ、こうちゃんがいる限り伊沢たちの作戦は全部山本に筒抜けなのである。あとは、それを利用して上手いこと伊沢さんたちを困らせるだけだった。
こう『山本さん、明日朝早くに生徒会室で準備するらしいです』
山本『ありがとう！じゃあ俺も朝早く起きよう』
途中からこうちゃん自身も楽しくなってきて、自ら進んで山本の監視役を引き受けたりとSっ気を発揮している。
朝に昼と立て続けに生徒会室を訪れて見せて、偶然出くわした須貝を動揺させてみたり。
正直先生から頼まれ事をされてしまったのは山本も予想外で、まぁなんとかなるのかな…？と他人事のように考えていたところまさか本人たちが直接手伝いにくるとは驚きだ。
その先輩たちの執念と優しさに正直山本も感動した部分こそあるが、完璧に練られた計画をどんどんと狂わせていくのはなかなかに楽しかった。
さらにタチの悪いことに、一連の伊沢たちが焦るシーンは全てこうちゃんのスマホに収められている。
「いや、最高でした。本当に」
「待って、山本とこうちゃんが組んでたってこと？」
「はぁー！？それは許せんマジで！」
「本当だよ！俺たちの苦労なんだと思ってるんだ！」
「…ちょっと、萎えたんですけど…」
最高のプレゼントでした、と笑う山本に、ブーイングの嵐。皆自分たちのサプライズパーティーが台無しになってしまったことよりも、山本に騙されていたことの方が悔しいのだ。
「なんだよ！無駄になっちまったじゃねーか！」
「いや、でも実際まだ生徒会室僕入ってないんで。
どんな風になってるのか分からないんですよ」
そう、山本は生徒会室に入る素振りこそ沢山見せたものの、計画が始まってからまだ一度も足を踏み入れてはいない。
ケーキが用意されていることは知ってしまったけれど、それ以外にどんな形で祝われる予定だったのかは分からないのだ。
「…じゃあ、計画2だな」
「…というと？」
「サプライズパーティー強行突破だ。もうやることはバレてるけど、計画通りに祝う」
「なんですかそれ笑」
伊沢が下した究極の決断に、須貝がよし、始めるぞと一番に乗る。そりゃそうだ。ここまで飾り付けをしたのだから。
「よし、山本、五分だったら入ってきて。いいか、五分だぞ」
そう言い残して、山本以外の全員が生徒会室の中に入っていった。
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Syuri(プロフ) - なつめさん» コメントにありがとうございます！やっぱり可能性コンビは可愛いですよね…私もいつもなつめさんの小説読んでによによしてます笑 これからもぜひ呼んでください！ (2020年6月4日 19時) (
レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく読ませて頂いています。山本くんお誕生日…いやあ、最高でした！ラストそうきたかあー。先輩方のドタバタと、かわいい後輩くん達のやり取りが面白くって、いっぱい笑わせて頂きました。これからも楽しみにしてます！ (2020年6月4日 11時) (レス) id: 6fb7510317 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - 怜さん» 嬉しい！ありがとうございます！本気で生徒会室に冷蔵庫あるんですか！！笑 個人的に無理矢理な設定だったかな〜なんて思ったりもしていたので、ちょっと安心です笑 しかも公立高校なのにすごいですね！！コメントありがとうございました…！！ (2020年6月2日 7時) (レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - いつも楽しく読ませてもらってます！山本さんお誕生日回…！たくさん更新されてて1人テンション上がってしまいました笑 以外余談。私ごく普通の公立高校生ですが何故か生徒会室に冷蔵庫あります…謎の親近感を覚えて楽しかったです！笑 (2020年6月2日 3時) (レス) id: 291ffdfed4 (このIDを非表示/違反報告)
Syuri(プロフ) - (名前)豆腐さん» 本当ですかありがとうございます！！最近更新時刻がバラバラになりがちになってしまっているんですけど、そう言って頂けるともっと更新頑張ろうって思えます！これからもよろしくお願いします…！！ (2020年5月19日 16時) (レス) id: 090c01e7bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Syuri | 作成日時：2020年5月14日 0時
