＿＿ ページ36
佐久間くんは辛いことを話してはいるけど、以前みたいな辛そうな感じはしなかった。吹っ切れた……のかな？
「利用されんのも裏切られんのも、夢壊されんのも嫌だったから。そのどれもされないように壁作って自分を守ってたのに、牧さんに出会って全部意味なくなったわ」
「え、私？」
「うん。牧さんが俺のすべてを壊した。その度にまた直さなきゃって必死こいてたんだけど、ああもう無理だなって」
ぎゅってさらに強く握られた手。
「俺は俺を守るのをやめることにした」
「どういうこと、」
「……好きだよ」
「っ、へ……ぇ？」
握った手を口元へ運びまるで手の甲にキスをするみたいに近付けて、にこっと笑みを浮かべる。薄暗い車内でも分かるその儚げな笑顔にドキッとする。
「もう隠せないなって。諦めることもできないし……なんかもう牧さんが居ないと俺、寂しい」
きゅんっっっっ！！！！！
「苦しいっ！ だめ！ そんなこと言われたら勘違いしちゃうからだめ！！」
アイドルが本気見せたらこの破壊力。一般ピーポーな私なんてイチコロだってわかってるのか。ぎゅーぎゅーと手を引っ込めようと必死な私と違って至って冷静な佐久間くん。見た目によらず力あるんだよね。
「かっこ悪いとこしか見せてないかもだけど、今でもその……俺のこと好き……というか、」
「好きです！ ええええ、そりゃあもう大好きです！ 何度でも言うけど、私は佐久間くんが一番で佐久間くんしかきっとこの先好きになれないし、好きになろうとも思わないよ！」
「……ヤバ……」
「うわぁぁん！ 引かれたぁぁ！」
ついオタク全開に前に出たら引かれてしまって、またぶわっと涙が出てきた。私ってこんなに単純な生き物だったんだな。佐久間くんの言動行動一つで笑顔にもなれて涙も一瞬で流せちゃう。
ピタッと頬に温かい手の温もりを感じて見れば佐久間くんが歪んでる。
「泣かないでよ。……俺まで泣けちゃうじゃん。引いてないんだよ。嬉しくてヤバいってやつ」
「うれ、しぃ？」
「俺しか好きにならないでいてくれるんでしょ？ ずっと俺のこと見ててくれるんでしょ？」
「……う、うん、だって……好きだもん」
「っ……あのさ、抱きしめていい？」
「えええ！！」
確認されると恥ずかしい。けど「どうぞ」と頷くとそっと佐久間くんの腕の中に包み込まれた。優しい香りがする。安心する。
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ゆきんこ(プロフ) - にかさん» コメントありがとうございます😊 私も夢小説は家で読むのがいいと思います🤭 楽しんでもらえたようで良かったです。💗の💗はもう聞いたら腹筋以外の想像してしまうので私は重症です😂 最後までありがとうございました！ (11月6日 15時) (
レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます😊 ぎゅんぎゅんしてもらえて嬉しいです🤭 ゆゆさんのお時間ある時にまた読んでもらえたら幸いです😌 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - いくさん» コメントありがとうございます😊 猫ちゃん目線は私が絶対書きたかったものなので楽しんでもらえて良かったです😊ありがとうございました！ (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» そして桜短冊さんの気持ちとても伝わっております😌ありがとうございます😊 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» 桜短冊さん、番外編までお読み下さりありがとうございました😊 ページ数の都合でかなり簡単に書いた番外編でしたが楽しんでもらえて嬉しいです！ 猫ちゃん達の目線は番外編書く前から書きたいと思ってたんです。書けて良かったです🤭 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2023年7月11日 22時
