＿＿ ページ35
「あのさ、この前のことなんだけど。……さよならとか言っておいて、会いにきてごめん」
「そう言われてみれば！」
一方的に泣かされたんだ私。そう思うとちょっとムカついて唇を尖らせて怒ってますと主張してみた。すると、大きな瞳をパチパチさせた後、スーッと細めて笑うから、
「こらこら私は怒ってます」
「……にゃは、牧さん優しいよね」
「優しく、ないよ。甘いの、好きな人には」
ねえ、気付いたかな？
私、あなたの事”好きな人”って言ったこと。今までみたいに”推し”って言ってないこと。無意味かもしれないけど、この想い届けってドキドキして見れば佐久間くんは長い前髪をフサフサ弄り顔を隠す。
「勝手なことしてるって分かってんの。……でも俺、会いたかった」
ゆっくりと向けられる瞳が、私の勘違いでなければ少し潤んで見えて熱がこもってるようにも見えた。ますますドキドキする。
「私も会いたかった。ずっと、佐久間くんに会いたかったよ。だから会いに来てくれて嬉しかったです。ふふ、本当はちっとも怒ってないよ」
トンと膝を叩き直ぐに退けようとしたのにその手の上に佐久間くんは自分の手を重ねた。大きな手、あったかくて綺麗な手。
「あんな風に言って傷付けておいて今更って、そう思われても仕方ない。嫌われても仕方ないって。でも訊いてほしくて、俺の本当の気持ち……訊いてもらっても良いですか？」
「はい」
佐久間くんがこれまで見せてくれた中で一番不安そうな表情だった。
彼と私の間には色んな壁があった。目に見えない壁が。どうにかしてその壁を壊したいと思ったけど、いつも壊れかけた壁を一生懸命直してたのは佐久間くんだ。それが今、佐久間くんが壁を壊そうとしてくれてるんじゃないか、そんな期待に胸が鳴る。
「情けないんだけど、俺ずっと怖かったんだ。好きな漫画読んでいつか俺もこんな恋愛すんだーとか男のくせにそんな夢みてて。好きな子ができて、その子のこと考えてドキドキして、ああ俺恋してんじゃんって浮かれて。その気持ちのままずっと付き合っていけると思ってた。相手も同じように俺にドキドキしてすんげぇ好きって思ってくれてるって信じてた。だからそうじゃないって分かった時、現実は漫画みてぇに上手くいかねぇんだから期待するのはやめようって、そう思う方が楽だった」
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ゆきんこ(プロフ) - にかさん» コメントありがとうございます😊 私も夢小説は家で読むのがいいと思います🤭 楽しんでもらえたようで良かったです。💗の💗はもう聞いたら腹筋以外の想像してしまうので私は重症です😂 最後までありがとうございました！ (11月6日 15時) (
レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます😊 ぎゅんぎゅんしてもらえて嬉しいです🤭 ゆゆさんのお時間ある時にまた読んでもらえたら幸いです😌 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - いくさん» コメントありがとうございます😊 猫ちゃん目線は私が絶対書きたかったものなので楽しんでもらえて良かったです😊ありがとうございました！ (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» そして桜短冊さんの気持ちとても伝わっております😌ありがとうございます😊 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» 桜短冊さん、番外編までお読み下さりありがとうございました😊 ページ数の都合でかなり簡単に書いた番外編でしたが楽しんでもらえて嬉しいです！ 猫ちゃん達の目線は番外編書く前から書きたいと思ってたんです。書けて良かったです🤭 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2023年7月11日 22時
