episode17 本当の気持ち ページ30
「牧さん、これコピーしといて」
「牧、午後の会議なんだけど……」
「Aちゃん、今夜ご飯行かない？」
元彼と別れてからはあまり仕事人間ではなくなったし、人付き合いが良い方でもなかった。けど最近は仕事と名のつくものはなんでも引き受けたし、食事や遊びの誘いも断らないようにしている。
何故かって？ それは…………
「あ、この人最近ちょっと雰囲気変わったよね？」
たまたま入った居酒屋のたまたまついていたテレビ画面に映るのはピンクの髪をした彼だ。スーツを着て、バチバチに決めてくれている。はあ、今日もかっこ良すぎだよ。
「前はさ元気な男の子って感じだったのに、なんだろう最近は色気が増したというか？ なんかたまに潤った表情しない？」
「わかるー！ なんか恋でもしてるみたいな……」
「というか、これはどちらかと言えば失恋じゃない」
失恋。……私たちはあの日、始まってもいないけど終わりを迎えた。たった一言”さようなら”と告げて彼はタクシーを呼ぶだけ呼んで自分は乗らずに私を押し込んで帰ってしまった。
遠ざかる背中を見つめて、私はどうしたら良いのか分からずただ静かに泣いた。
翌朝、泣き腫らした瞳は一重になっていて、これじゃ仕事なんてできない。って休みを取ってしまった。一日中部屋でゴロゴロしながら、佐久間くんの事を想っては涙が溢れた。
そして次の日、泣くのはもう止めよう。考えるのは止めようと思って、毎日仕事もプライベートもわざと忙しくした。
「そういえばAちゃんこの人のこと応援してなかった？ デスクに写真置いてたよね？」
「ふふ、うん。好きだよ。私の推し様」
「いがーい！ なんかもっとこう真面目そうな人が好きそう」
「真面目だよ彼。仕事も好きなことにも真っ直ぐだし。ファン想いだし」
「そうなんだぁ」
そう佐久間くんは真面目すぎる。アイドルが天職だと言う彼は、ファンのために生きることを選んだっぽくて、でもそれって私の為でもあって。……うまく言えないけど、自己犠牲してるんじゃないかなってとこが心配。でもきっと私に心配されなくても、佐久間くんの周りには彼を助けてくれる人がいっぱい居るよね？
あなたはアイドル、私はファンとして以前の二人に戻っただけなんだよね。
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ゆきんこ(プロフ) - にかさん» コメントありがとうございます😊 私も夢小説は家で読むのがいいと思います🤭 楽しんでもらえたようで良かったです。💗の💗はもう聞いたら腹筋以外の想像してしまうので私は重症です😂 最後までありがとうございました！ (11月6日 15時) (
レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - ゆゆさん» コメントありがとうございます😊 ぎゅんぎゅんしてもらえて嬉しいです🤭 ゆゆさんのお時間ある時にまた読んでもらえたら幸いです😌 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - いくさん» コメントありがとうございます😊 猫ちゃん目線は私が絶対書きたかったものなので楽しんでもらえて良かったです😊ありがとうございました！ (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» そして桜短冊さんの気持ちとても伝わっております😌ありがとうございます😊 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきんこ(プロフ) - 桜短冊さん» 桜短冊さん、番外編までお読み下さりありがとうございました😊 ページ数の都合でかなり簡単に書いた番外編でしたが楽しんでもらえて嬉しいです！ 猫ちゃん達の目線は番外編書く前から書きたいと思ってたんです。書けて良かったです🤭 (11月6日 15時) (レス) id: 3d6d572a50 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆきんこ
| 作成日時：2023年7月11日 22時
